かつて、国内トップクラスシェアを誇っていた生理用品「ウィスパーシリーズが、国内販売を終了していたことが先日、明らかになりました。P&Gは理由について「利益面だけでなく市場のシェアや今後の成長性など、あらゆる分野を総合的に判断して決めました。特定の原因があったわけではありません」としましたが、30年余りにわたって多くの女性たちに愛用されてきたロングセラー商品は、なぜ姿を消したのでしょうか。その背景を探りました。

圧倒的な吸収力や羽根付きで人気

ウィスパー」は、衣料用洗剤や衛生用品などを製造・販売するP&G1986年に販売を始めました。生理用ナプキン市場では後発組でしたが、吸収力の強さなどを武器に急成長。当時としては珍しい羽根付きの製品や、超薄型タイプの製品など新商品を次々に投入し、著名人を起用したCMを大量に流したり、小学校での初潮教育に積極的に協力したりして、シェアを伸ばしていきました。

 販売終了を受けてSNS上には「圧倒的な吸収力は当時、画期的だった」「吸収力と横漏れ防止の羽根付きに、とても助けられた」「小学生の時、保健の授業で配られた試供品がウィスパー大学生になるくらいまで使った」と懐かしむ声が上がりました。

 一時、国内で3割ほどのシェアを誇った「ウィスパー」ですが、「ソフィ」(ユニ・チャーム)や「ロリエ」(花王)といった他社製品との競合が激化し、次第に売り上げが落ちていきます。SNS上でも「10年前までお世話になりました。今はソフィやロリエの方が使い心地が良い」「ウィスパーのビニールっぽい素材より、紙おむつのようなコットンの方が蒸れなくていいから、10年前から使わなかった」といった投稿もあり、利用者離れが進んでいたことが分かります。

 業界団体である日本衛生材料工業連合会の高橋紳哉専務理事によると、近年の生理用品市場は「対象年代の女性は減っているものの、各社とも新商品やリニューアル商品の発表が活発で、堅調に推移している」そうです。

 そんな中、データ分析会社「True Data」がまとめた、ドラッグストア1店当たりの売上額推移によると、P&Gの生理用品・用具はトップを走るユニ・チャームの10分の1以下。上位5社の売り上げ合計に占める割合は2016年4月に3.4%、国内販売を終了した2018年3月には1.8%まで落ち込んでいました。

 約30年前に登場し、一時は日本市場を席巻した「ウィスパー」。国内勢の巻き返しなどで撤退する姿に、SNS上には「長い間お世話になりました。本当にありがとう」といった声も見られます。(報道チーム

「ウィスパー」の販売終了を告げる公式ホームページ