東海大学理学部の荒井堅太 講師、岩岡道夫 教授、大阪大学蛋白質研究所の北條裕信 教授、東北大学多元物質科学研究所の稲葉謙次 教授、奥村正樹 教授、福岡大学理学部の安東勢津子 講師らの研究グループは、インスリンを構成する2本の異なるポリペプチド鎖(A鎖およびB鎖)が水溶液中で自己組織化してインスリンの構造を獲得するメカニズムの全容を解明しました。



新しいインスリン製剤技術としての応用に期待

さらに、この成果を元に、水溶液中で混合するだけで、目的のインスリンを得る簡便なインスリン合成法も開発。化学合成技術を基盤とした新しいインスリン製剤技術としての応用が期待されます。



インスリンは特徴的な分子構造をもつため化学合成は容易でなく、世界中の研究グループが様々な手法を試みてきましたが、手法の煩雑さなどの理由からインスリン製剤の製造応用へ展開された例はありません。



今回成功した合成法は、遺伝子工学的な手法を一切用いないことから、大掛かりな製造設備を必要とせず、A鎖とB鎖を混ぜ合わせるというごく単純な操作で目的のインスリンが得られることが特長となっています。



本研究成果は、5月3日(木)付でイギリスの国際化学誌「Communications Chemistry」電子版に掲載されました。



(画像はイメージです)



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