ガーナ戦の招集メンバー入り、W杯出場へ望みつな

 浦和レッズ日本代表DF遠藤航は、19日のJ1リーグ第15節ガンバ大阪戦にフル出場。チーム失点に貢献し、試合は0-0で引き分けた。そして、21日からスタートするロシアワールドカップW杯)直前の準備合宿に向けて、「自分が今回、代表に入るチャンスがあるとしたらその部分だと思っていた」と話す。その、遠藤チャンスを得る足がかりになった部分とはなんだったのか――。

 W杯まで約2カという土壇場で就任した西野監督は、メンバー発表会見の際に日本サッカー協会スタッフに注文を付けたことが一つだけあった。それが「GK以外のアルファベットポジション表記)はないと考えてもらいたい。差し替えられるなら、取ってほしい」ということだった。

 つまりは、GK以外のフィールドプレーヤーには、一つのポジションに限らない起用法があると考えているということだ。前任のバヒド・ハリルホジッチ監督メンバー発表会見では、例えば「サイドバックが4人です」「中盤の後ろの方の選手がこの3人」というように、どのポジションに対してを選考したのかが明確だった。しかし、西野監督哲学はその部分で正反対だ。

 そして西野監督は会見の最後に「ポリバレント」という言葉を使った。つまりは、複数のポジションをこなせる“使い勝手の良い”選手ということだ。そうした意味で遠藤の代表入りを捉えると、実にしっくりとくる。

「守備のポリバレント」として内屈

 遠藤自身も「いろいろなポジションをこなすことについては、いろいろな監督さんに使ってもらって、どのポジションでもしっかりしたクオリティーを出すことを意識していたし、評価されたのは嬉しい」と話す。湘南ベルマーレでは3バックの右ストッパーメインだったが、浦和ではミハイロ・ペトロヴィッチ監督が3バックの中央で起用し、孝史監督に4バックの右サイドバックボランチ。現在オズワルド・オリヴェイ監督は、3バックの右ストッパーボランチで起用している。3枚にも4枚にも対応できる守備のポリバレントとして、遠藤内屈を持つ。

 西野監督自身、「コロンビア戦の絵はまだ描けていない」と吐露している。これから詳細な分析を行い、何が効率的なのか、がコンディションの良い状態にあるのか、相手のメンバー、選手の特性、場合によっては利き足といった様々な条件を照らし合わせ、最善だと思える選択をしなくてはいけない。そうした時に、複数のポジションができる選手は絶対に必要なピースになる。

 遠藤自身、2016年リオデジャネイロ五輪将を務め、2年後にあたる今回のW杯に出場するチャンスを得ているとも言える。FW浅野拓磨MF井手口陽介らも選出されたこの世代について、責任感も口にする。

オリンピックという際舞台の経験は、A代表はみんな経験がある選手だけど、下から入る選手が増えないといけないと思っていた。リオ組も何人かいるので、下から突き上げるじゃないですけど、良い準備だけじゃなくてスタメンを脅かす選手になっていければ」

W杯への強い思い「チャンスはつかみたい」

 当然、「楽しみな気持ちはあるけどメンバーが決まったわけではないので、23人に入るという思いを持って練習からやるだけ」と地に足は着けている。それでも、サッカー選手としての大きな標であるW杯に対して、強い思いがないわけがない。

プロに入りたての頃とべたら、実際にワールドカップの舞台に立つチャンスが来る選手になるほど成長できたという思いもあれば、もっとくA代表に入りたかったとか、もっと成長の速度を上げたかったというのもあります。こういう経験をできるチャンスはつかみたいし、ワールドカップという際舞台を経験できれば今後のサッカー人生にも生きると思う」

リオ経由ロシア行き”の最たる存在になり得る西野ジャパンの「ポリバレント」は、強に挑む形になる本大会において重なピースになる可性を十分に秘めている。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada

ガーナ戦のメンバー入りを果たした遠藤は、ポリバレントな存在として重宝されるか【写真:Getty Images】