低所得層の学生について「国立大学の授業料を全額免除」する方針が公表され、注目を集めている。

低所得家庭に限り「大学無償化」へ

政府は6月5日、「経済財政運営と改革の基本方針2018(仮称)原案」を公表した。

人づくり革命の実現・拡大に向けて、幼児教育の無償化の加速や、待機児対策により女性の就業率80%に対応する「子育て安心プラン」の前倒し、介護による離職ゼロに向けた処遇改善などの取り組みが盛り込まれている。

大学などの高等教育については、「真に支援が必要な、所得が低い家庭の子供たちに限って、大学などの高等教育無償化を実現する」と記されている。

年収270万円未満なら国立大授業料免除

具体的には、住民税非課税世帯(年収270万円未満)の子どもたちについて、次のような授業料の減免措置を実施。

国立大学=免除

公立大学国立大学の授業料を上限に対応

私立大学国立大学の授業料+私立大学の平均授業料と国立大学の授業料の差額の2分の1を加算した額まで対応

1年生に対しては、国立大の入学金を免除し、公立大学は国立大の入学金を上限に免除。私立大の場合は、私大の入学金平均額を上限に対応する。

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給付型奨学金に生活費も計上

給付型奨学金については、住民税非課税世帯(年収270万円未満)の子供たちを対象に、学生生活を送るのに必要な生活費をまかなえるように措置を講じる。

具体的には、受験料に加え、就学費や課外活動費、通学費や食費、住居・光熱費、保健衛生費、通信費などの日常費、学校納付金等を計上。

朝日新聞によると、私大・自宅外の場合総額年100万円規模になる想定だという。

年収380万円未満も段階的に支援

支援のいわゆる「がけ」「谷間」が生じないよう、住民税非課税世帯に準ずる世帯の子供たちについても、段階的に支援を実施。

【年収300万円未満世帯】

非課税世帯に対する授業料減免および給付型奨学金の3分の2

【年収300万円~年収380万円未満世帯】

3分の1の額を支援

中間所得層に対しては、低所得世帯に限定した支援措置等と合わせて、アクセスの機会均等などについて検討を続けるとしている。

単位や成績を要件に

支援対象者の要件として、レポート提出や面談での本人の学習意欲の確認、大学での単位取得状況などを設定する。

必要な単位の6割以下しか取得していないときや、成績が下位4分の1になった時は大学から警告。連続して警告を受けたときなどには、支援を打ち切ることもあるという。

支援対象となる大学についても、実務経験のある教員が、卒業に必要な単位数の1割以上の授業科目を担当するなどの要件を設ける。

ネット上は「恩恵に預かれなさそう」

政府案を受けて、ネット上にはさまざまな意見が寄せられている。

素晴らしい」「これは英断」と称賛する声がある一方で、こんな意見も。

低所得者層の大学授業料免除は国立はともかく私立はやりすぎ。
給付型奨学金に通学費や住居費まで含まれるって、これもやりすぎ。
中間層以上は必死で働いて子どもの学費を貯めてるのに、いくらなんでも不平等じゃないの?

— はなこ (@hanako2500) 2018年6月5日

低所得層に国立大学授業料免除。ばっかじゃねえ。低所得者の子供は国立大学なんか入れないのが今の世の中だよ!
— 星野敏彦 (@hoshino5104) 2018年6月5日

低所得層の授業料免除のやつ、沖縄だと低所得のなか大学進学をもぎ取った超レアな人種しか恩恵に預かれなさそう。
— いさちや (@13chiya) 2018年6月6日

低所得者層の大学の授業料免除、喜ばしいけども、国立大行ける低所得者層なんて大分限られてくること考えると、より一層のその他の支援の充実が必要だと思う。難関大に行けば行くほど家庭の豊かさとか反映されて惨めな気持ちになる私がいる……。
— てふさく (@gUgeurUSQjj3GFO) 2018年6月5日

国立大は低所得者層向けには、既に授業料免除が充実してるんでないの?

arly (@tm_bmb) 2018年6月5日

免除するくらいなら最初から授業料を値上げせずに安いまま置いときゃよかったのに
— cacao (@cacao_double) 2018年6月5日

「そもそも、低所得家庭では国立大に入るのが難しい」「塾代の補助から必要かと」という指摘や、「大学生の授業料は、一般世帯でも重い負担」と訴える声もあった。

国立大の家庭の平均年収は841万円

日本学生支援機構の2016年学生生活調査によると、大学生を持つ家庭の平均年収は830万円。

中でも、国立大学841万円と平均年収がもっとも高い。

東大の2016年学生生活実態調査には、東大生の親の年収で最も多いのは950万円~1050万円。62.7%が年収950万円以上という調査結果が記されている。

文部科学省子どもの学習調査によると、学習塾の費用として、高校では公立で平均約10万6000円、私立で平均約17万1000円かかっているという。

年収270万未満など低所得家庭に「国立大学無償化」へ、ネット上は「低所得で国立大は難しい」の声