株式会社エクサウィザーズ(東京都港区、代表取締役社長:石山 洸、以下エクサウィザーズ)は、京都大学大学院医学研究科奥野研究室(以下京都大学)、理化学研究所理化学研究所医科学イノベーションハブ推進プログラム医薬プロセス最適化プラットフォーム推進グループ(以下理化学研究所)と共同で、低分子化合物の性質を学習・予測するAI技術を開発しました。今後、エクサウィザーズは医療・創薬および販売における各プロセスで利活用できるAIモデルの開発に取り組んでいきます。

1.開発の背景・目的
製薬企業は、新薬開発コストの増大、新薬パイプラインの枯渇、薬価の切り下げ等の問題に直面しています。そのため、研究・開発プロセスの大幅な効率化が求められており、AIの利活用に大きな期待がかけられています。これに対し、エクサウィザーズは、化合物活性予測・可視化・化合物生成を網羅した AI技術を確立し、多くの期間と費用を要しているリード化合物の探索と最適化を支援するAIを開発しました。また、このAIは化合物の解析だけでなく、遺伝子のネットワークや論文引用ネットワークなどに容易に応用が可能です。国内において応用可能性の高い創薬AI技術を開発することで、研究・開発の期間短縮と費用削減に寄与します。

2.共同開発の概要
今回、Deep Learningを用いた学習モデル「Graph Convolutional Network (以下GCN*)」をベースにエクサウィザーズ・京都大学・理化学研究所が以下のAIを共同開発**しました。

(1)化合物とタンパク質の相互作用予測モデル
化合物の構造からタンパク質への活性を学習し予測することが可能となります。創薬候補化合物のスクリーニングの効率化に寄与します。当モデルは既存の創薬のためのライブラリ、DeepChem***と同等の精度をベンチマークテストで記録するとともに、高い応用可能性を有しています。

(2)化合物デザインを支援する化合物構造の可視化
従来のDeepLearning技術では、化合物のタンパク質への活性予測理由を提示することが困難でしたが、当モデルを用いることで、化合物中の活性発現に効果的な部分、および効果的ではない部分を「見える化」できます。

(3)新しい化合物を提案する化合物生成モデル
既存の化合物から創薬に適した化合物を、多様かつ大量に提案することが可能となります。従来は、研究者が自身の経験に基づき実施していた化合物デザインの提案プロセスを代替、効率化します。

3.今後の展望
今後は、応用可能性の高いGCNの活用や製薬企業との協業による創薬支援サービスの機能拡充・強化、及び営業活動を含む製薬企業のビジネスプロセス全体の生産性向上に寄与するサービス開発に取り組みます。これらの活動を通じて、医薬品産業全体の進化・革新への貢献、ひいては当社が全社的に掲げる社会課題解決の一環として、健康寿命の延伸及びQOLの向上への貢献を目指します。

*GCNは、化合物に代表されるような「つながりと関係性」を学習し、情報抽出する新技術です。当特性から、遺伝子ネットワークの解析・論文の共著関係・研究者の関連性解析等の領域を問わない高い応用可能性を有します。
**LINC(Life Intelligence Consortium)における活動の一貫として開発しました。
***DeepChemは、スタンフォード大学の研究者らが開発したPythonライブラリで、GCNによる活性予測などの機能を有しており、現在世界中で注目されております。

【株式会社エクサウィザーズの概要】
会社名: 株式会社エクサウィザーズ
所在地: 東京都港区浜松町1-6-15 VORT浜松町I 3F
設立:2016年2月
代表者: 代表取締役社長 石山 洸
事業内容: AIを利活用したサービス開発による産業革新と社会課題の解決。Med Tech事業として、創薬から販売まで一気通貫したAIモデル開発に取り組むことで、医療製薬業界の課題を解決。
URL: https://exawizards.com/
*エクサウィザーズでは事業拡大のためにメンバーを募集しています。ご興味のある方はコーポレートサイトの採用ページ(https://hrmos.co/pages/exawizards)をご確認ください。

配信元企業:株式会社エクサウィザーズ

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