坂口健太郎が初演を務めるドラマフジテレビ系シグナル 長期未解決事件班」(関西テレビ制作、毎週火曜21時〜)の最終話

怒涛の展開、余りにも怒涛の展開過ぎたため、だいぶ説明不足だった感のある最終回。一体どういうラストだったのか、解説したい。

開始数分でハッピーエンドは消滅
2000年線により三枝坂口健太郎)に亮太珠)が殺されることを知らされた大山北村一輝)。しかし、駆けつけるも間に合わず、中本刑事部長渡部篤郎)の手によって亮太は殺されてしまい、武蔵野集団暴行事件の拠は握りつぶされてしまう。

亮太必死実を明したかった理由は、自分のためではなく、家族のためだった。こんなにも好青年である亮太が死んだことで、まだ開始数分の序盤だが、ハッピーエンドの線はくなった。

リリングなシーンにモヤモヤ
2018年、口封じのため中本から命を狙われている元暴力団岡本高橋努)に接触を試みる三枝桜井(吉瀬美智子)。大山の死の相を確かめようとすると、中本からの追手が現れる。岡本撃され、三枝桜井を身体をって守り、救急車で運ばれる。

桜井中本の追手と格闘しているとき、三枝が撃たれた岡本を起こそうとしていたのがモヤモヤ。大事な拠を握っているのはわかるが、の前で出してるのだから桜井の応援に行ってほしかった。それと、ピッコロさんスタイルで身体を桜井の前に投げ出したのもよくわからない桜井を突き飛ばした方がいあい、安全だし、咄嗟の判断っぽい。それと、中本岡本の名前が似ているのもわかりづらい。せっかくスリリングなシーンだったのに、モヤモヤポイントが多すぎた。

過去を変えずに、自分で未来を切り開いた大山
2000年桜井線で原記念病院には行くなと言われたのでとりあえず向かった大山。ここで死体を発見、1話で最初に三枝線で交信したシーンにつながる。

これがまた微妙にわかりづらい。ただ単に、1話のあのときのシーンですよーってだけの場面なのに、現代の三枝が死にかけているカットと、初めて線を手にした三枝カットが交互に入るから、無限ループものみたいに見えてしまう。理解さえ出来れば、物語が繋がったことがわかる視聴者にとっては、カタルシスを感じられる最終回らしい場面だ。

その後、大山岩田(甲本裕)に殺されかけるも、必死の抵抗により桜井仲間の応援が間に合い、間一で生き延びる。大山は、自分の意志の強さと行動で未来を変えたのだ。これにより、全ての未来が変わった。

エピローグ的な部分
2018年、眼が覚めた三枝は自分の部屋にいた。自分の名刺を見ると、警部補ではなく、第1話当初の巡査のままだった。

「記憶が変わっている」

三枝は変わっていると発言したが、正確には「足されている」が正しい表現だろう。これまでの10話分全ての記憶に加え、大山が生き延びた世界の記憶が加わったのだ。しかし、世界が変わったので、当然、長期未解決事件班のメンバー三枝を覚えていない。これが三枝が望んでいた世界のはずなのだが、なんだか寂しい。

肝心の大山中本を殺したとして指名手配され逃亡中だった。これは、まったくもって説明されていないが、黒幕である衆議院議員野沢義男(西岡徳馬)の仕業と見ていいだろう。トカゲ尻尾切りとして、中本を殺し、大山に罪を着せたのだ。

この事件を解決する為に、三枝線を使って同じく2つの世界の記憶を持つ桜井と一緒に大山は探しに行く。そこですぐに大山と合流できたのか、それともまた野沢によって何かしらのひと着があったのかは、視聴者にゆだねるといった感じだろう。

悪い人間と展開の連続だった「シグナル」だけに、最終回はわざと臭いくらいのハッピーエンドもちょうどよかったように感じる。それをこれだけ視聴者の受け取り方に委ねるようなラストにしたのは、制作の媚びない姿勢を感じる。カンテレのこのはそういった気概のあるドラマがあるだけに、そこはすごく納得が行く。ただ、は一視聴者として、ただただスッキリしたかった。

(沢野奈夫)

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イラスト/Morimori no moRi