本番前最後のテストマッチとなったパラグアイ戦で、キャプテンマークを託されたのはMF山口蛍セレッソ大阪)だった。

 ミーティングで名された時に「どよめきが起きました」と話すのはDF槙野智章(浦和レッズ)。山口本人は「ハセさん(長谷部誠)が何年もつけている重圧をすごく感じました」と言うが、持ち前の運動量とボール奪取チームを支えた。

 西野監督は試合後に、名した理由をこう説明した。

「彼はまだそういう経験もないし、十分ではないかもしれない。ただ、間違いなくチームの中でそういう立場、役割を果たさなければいけない選手だと思うし、それを果たしてくれるリーダー性を兼ね備えていると思う」

 このタイミングゲームキャプテンを任せたのには、何かしらの意図があったに違いない。長谷部は「意は聞いていないので」と前置きしつつ、指揮官の気持ちを慮った。

「合宿でのトレーニングゲームを見て、監督が『の元気がないな』と話していた。そこにに対しての期待を感じていたし、奮起してほしいという気持ちがあったと思う」

 思い返せば、長谷部も8年前の南アフリカワールドカップ直前に岡田武史監督からキャプテンを言い渡された。メンバーシステムを刷新して臨んだ大会で、結果はベスト16。西野監督山口を奮い立たせることで、チームに好循環をもたらそうとしたのかもしれない。

左腕にキャプテンマークを巻き、フル出場した山口(中央)[写真]=Getty Images