和太鼓エンターテイメント集団「DRUM TAO(ドラムタオ)」が、2018年7月19日(木)から東京豊洲PITにて、2018年の新作演『RHYTHM of TRIBE~時旅行記~』を上演する。
世界24カ500都市で上演、世界観客動員800万人に迫るDRUM TAOは、和太鼓を中心に、篠笛三味線・琴など日本伝統芸術を更に進化させた「最新の日本エンターテインメント」。新作となる『RHYTHM of TRIBE~時旅行記~』は、「SAMURAIたちが過去・現代を行き交う魂の」をコンセプトに展開される。

DRUM TAOの中核としてチームを牽引する野央明、そしてパワフルプレイをみせる奏者・生越寛康に今回の新作について話を聞いた。

(左から)岸野央明、生越寛康

(左から)野央明、生越寛康

ーー新作の『RHYTHM of TRIBE~時旅行記~』はどんな作品になりそうですか。

:「映画みたいな作り」がコンセプトにありました。これまでは作る段階での「ストーリー」は頭の中にあるんですけど、それを観ている人に対して明確に伝えるという作業はどちらかというと避けていたんです。自由に楽しんでもらいたいから。今回は逆にちゃんとテーマストーリーがあって、観ている人にも同じものを伝えていくことを意識して作ったんです。観客が最初からその世界観に入り込んでいけるものを作りたいと思いました。
以前、宮本亜門さんと最初に組んだ時に、初めてお芝居的なステージを作ったんです。それがいい意味でたちのエッセンスとなり、ミックスされて今に至っていると思います。最初は台詞がないとはいえ、芝居を入れることは大変でした。役者ではないのに演技をして、そして演奏もして……でもやっていくうちに理解ができてきて、ステージにいろいろな要素があるのがおもしろいと思えるようになりました。

岸野央明

野央明

ーー宮本さんと初めてコラボされた頃、まだ手探りなところがあって……という話を当時されていた記憶があります。

:あの時の経験があったからこそ、なんですが、今は作っていく過程でも進化を感じています。最初はこんなイメージで……と伝えて作っていきますが、やっていくうちに反れてしまって。最終的にはなんとか完成させても、当初思っていたことと「ちょっと……違うかな?」ということもあったんです。でも今はこれを作る、という設計図が最初にしっかりあって、それが最後までブレずに作り切れるようになりました。

ーーそんな作品において特に今回注していただきたいところはどのあたりになりますか?

生越が出る側でなく観客として観た時に感じたのは、オープニングです。今までにないくらい壮大になっていて。ショーというのはオープニングが大事だな、と思っていますが、今回の作品はその「ツカミ」がしっかりしているのですごくまとまりを感じますし、一気に世界観に引き込まれます。そこをまずは観ていただきたいですね。

生越寛康

生越寛康

タイトルが『時旅行記』ですが、ショーの途中に本当に時えるような演出があるんです。演奏パフォーマンス映像リンクしてハッキリ変わるところ。そこをこだわって作ったので観ていただきたいですね。
あと、今回特にを入れている映像部分ですが、もちろん映像がなくても太鼓のパフォーマンス世界観を届けていけるようには作っています。ですが、そこに映像が加わることでさらにストーリーがわかりやすくなるヒントを観ている方に与えていけるようにしています。

DRUM TAO『RHYTHM of TRIBE~時空旅行記~』舞台写真 (c)DRUM TAO

DRUM TAO『RHYTHM of TRIBE~時旅行記~』舞台写真 (c)DRUM TAO

DRUM TAO『RHYTHM of TRIBE~時空旅行記~』舞台写真 (c)DRUM TAO

DRUM TAO『RHYTHM of TRIBE~時旅行記~』舞台写真 (c)DRUM TAO

DRUM TAO『RHYTHM of TRIBE~時空旅行記~』舞台写真 (c)DRUM TAO

DRUM TAO『RHYTHM of TRIBE~時旅行記~』舞台写真 (c)DRUM TAO

ーー野さんたちがいろいろなアイディアを元に新たな構成を考えていく一方で、演奏する側としては、正直「かなり言うなあ」と思うような事はありますか(笑)

生越(笑)…ついこの前、1月5月までアメリカツアーに行っていた時の話です。TAOの舞台の構成は演奏するらも提案していくんです。内に残っているメンバーが話を詰めていく一方で、らはアメリカツアーの合間に次の新作舞台の演奏を、送ってもらった映像を観ながら一日二日で覚えるとか……そういう苦労をしていましたね(笑)

:……不満(笑)!?

生越:えへへへ(笑)映像を観て、そこにいるメンバーだけで手合わせして、帰して全員で合わせるんですが、「あそこはこう変わったよ」とか結構変更が入るんです。対応するがその都度められるんですが、送ってもらった映像を観て覚えていくとしても、やはり実際にいてみないと身体に入ってこないこともあるんです。

岸野さんにつっこまれ、生越さんが慌てる一幕も!

野さんにつっこまれ、生越さんが慌てる一幕も!

ーー先ほど生越さんが「提案で作品を作る」というお話をされていましたが、その辺りをもう少し詳しく伺っていいですか?

らのステージは基本的には全てオリジナル作品なので、メンバーそれぞれがこれまでに経験した事の中から「これはいいな」と思ったものを集めて、「今回はこれをやりたい」とプレゼンをするんです。例えばあるメンバーが行ってきたクラブで観たあの振付が良かったのでそれを取り入れたいとか、阿波踊りを観に行った別のメンバーが「古だけどかっこよかった」という意見を持ってきたり、YOSAKOIソーランをやっている人と知り合いになって、踊りを教えてもらいました、とか……。皆が持ち寄ってきた提案の中から採用されたものをさらに形にしていくんです。

岸野央明

野央明

:少し話がそれますが、らは毎年研修でラスベガスに行き、全員で同じショーをいくつか観るようにしているんです。でも同じショーを観ても、一人ひとり感じることが違うのでインプットされるものもアウトプットされるものも違うんです。そこが集団でやっていく上で強みになるんでしょうね。

生越寛康、岸野央明

生越寛康、野央明

ーー今回、東京演での新しい取り組みとして「TAOの夏祭り」が同時開催されるそうですが、これはどのような内容なんですか?

らのホームグラウンド、大分のくじゅう公園近くにある「TAOの里」は、らが生活したり稽古をしている場所なんですが、の間、そこにお客さんを呼ぶイベントを催しているんです。演奏も普段の劇場でやるスタイルではなく、稽古場を解放して野外ステージのようにしているんです。芝地が客席でらもそこに下りて演奏してね。屋台村もあるんですが……。

生越らがを焼いたり「いらっしゃーい」って呼びこんだり(笑)。むしろらが一番楽しんでイベントをやっていると思いますよ(笑)

生越寛康

生越寛康

:これをぜひ東京で出来たら皆さんも楽しめるんじゃないかな? って今回思い切ってやってみることにしました。

ーー会場が豊洲ピットということもあるので、広いロビーや周囲の敷地も使えそうですね!

東京で「夏祭り」が再現できたらいいなあと思っています。是非遊びにきていただきたいです!

生越寛康、岸野央明

生越寛康、野央明

取材・文・撮影=こむらさき

(左から)生越寛康、岸野央明