先日、園子温監督の新作『Prisoners of the Ghostland(原題)』で演を務めることが発表され、話題を集めたニコラス・ケイジ。大作映画に立て続けに出演し、オスカーを受賞するなど一世をした彼だが、近年では個性的な小規模作品で存在感を発揮。特に“顔芸”と呼びたくなるほど表情豊かな熱演で、強インパクトを残しているのだ。そんな彼の“顔面”を堪できる映画が、6月は立て続けに2作品劇場で開される。

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■ “困り顔”連発で男の悲哀を表現!

ダークサイド』(6月16日開)は、ニコケイ演じるモーテル経営者のレイが、ある事件に巻き込まていくサスペンススリラー。新生活をめて田舎町のモーテルを買い取ったレイは、モーテルの1室がマジックミラー越しに覗けることを知ってしまう。ある、二人の美女SMプレイに耽る様子を、罪の意識を覚えながら覗き見てしまうが、その部屋にいた女の一人が死体で発見され…。

レイは幼いを事故で亡くしたという設定で、家族を亡くしたショックから憔悴した様子を繊細な表情の演技で見事に体現している。また隠し通路を発見し、マジックミラー越しにSMプレイ撃してしまうシーンでは、背徳感と欲望のせめぎ合いに翻弄される絶妙な“困り顔”を披露。さらに事件に巻き込まれていくにつれ、困り顔エスカレートしていき、妙さと悲壮感がミックスされた味わい深い表情が物語に深みを与えている。

■ 怒る!笑う!昇天する!ニコケイの顔面変わりショー

その一方、『マッド・ダディ』(6月23日開)では、タイトル通りの狂った父親ハイテンションに熱演。ある日突然、世の親たちが自分の子どもにだけ殺意を向け襲い始めるというトンデモない設定の本作は、ケイジ自身も「ここ十数年の出演作の中で、一番気に入ってる作品さ!」とするほどの気合の入りようだ。

をかっぴらき、雄叫びをあげるのような怒りの形相でが子を襲うケイジの姿はまさに“狂い咲き”の一言。さらに、不気味スマイルを浮かべたり、恍惚の表情で子どもをぶん殴ろうとしたり、顔をコロコロと変えながら、自分の子どもに襲いかかる姿は、さすがオスカー俳優といいたくなるほど、面躍如だ。

御年54歳、ベテランと呼ばれる年齢に差し掛かり、最近は俳優業の引退も示唆しているケイジ。『ダークサイド』でのシリアスな妙演と『マッド・ダディ』の狂人演技を見れば、彼にはまだまだ活躍してほしいと感じてしまう。(Movie Walker・文/トライワークス)

映画『マッド・ダディ』に主演のニコラス・ケイジ。神経質な顔だってお手のものだ!