6月下旬、ウラジーミル・ブルメイステルの振付・演出による『白鳥』を上演する東京バレエ団がリハーサル開、その後の記者懇親会で斎藤友佳理芸術監督演の香菜子、宮川新大らが舞台への思いをった。

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開されたリハーサルは第3幕。数あるヴァージョンのなかで特にドラマティックといわれるブルメイステル版ならではの、エネルギッシュな、独特の魅にあふれた幕だ。ジークフリート王子選びの舞踏会。次々と登場する各の踊りのダンサーたちは、実は悪魔ロットバルトの手下という設定で、その踊りでジークフリート王子をじわじわと誘惑、宮川演じるジークフリート王子は、演じるオディールに心奪われ、ついには大切な女性オデットを裏切り、彼女を呪いから救うチャンスを失う──。

東京バレエ団は2016年2月に本作をバレエ団初演。これを観た著作権保有者のナタリヤ・ブルメイステルが「(1953年の)初演を思い出した」と賞賛したという。とくにソリスト、群舞のダンサーたちが一体となってドラマを作り出すこの第3幕は圧巻で、今回の再演でも迫の舞台が期待される。

懇親会冒頭で「今回はこれを3キャストで上演、上野香と柄本弾、川島麻実子と秋元康臣に加え、宮川が初めて挑戦しますが、それぞれに全く違う良さがある。ぜひ全キャストを観ていただきたい」と話す斎藤。このプリンシパルになったばかりの宮川を、「そこで満足してほしくない。常にハングリーで、謙虚でいてほしい」と励した。

オデット/オディール役のは「この役にこうして取り組めることは奇跡。両役ともに私はどうしても幼くなりがちなので、初々しさの中にも大人っぽさが出せたら」、宮川は「これは(在籍していた)ダンチェンコ(モスクワ音楽劇場)で観て、『白鳥』って面い!と実感した版。振付のない部分、自分で作らなければならない部分は難しいが、幕があく最後の一まで突き詰めたい」と抱負をのべた。

さらに「こんなに大変だと知っていたら、やらなかった(笑)」と斎藤が冗談をとばすのは、今回一新した衣のこと。ブルメイステルの演出意図にかなうものを、と初演時には装置をしつらえたが、今回は第1幕、第3幕の全衣を新製作。「これでいつでも好きな時に上演できるようなった。『白鳥』はどうしてもそうしたかった」と思いを明かす。小物類も含めて200点ほどにものぼる衣のひとつひとつに、斎藤の、スタッフたちの強い思いが込められている。

東京バレエ演ブルメイステル版『白鳥』は、6月29日)から7月1日(日)まで、東京東京文化会館にて上演。チケットは発売中。

取材・文:加藤智子

「白鳥の湖」記者懇親会より 主演の沖香菜子・宮川新大、斎藤友佳理芸術監督 提供:Mizuho Hasegawa