ここ数年、質・量ともに充実しているアニメ映画。分嶺は2012年細田守監督が『おおかみこどもの雨と雪』をヒットさせたこの年、ジブリ作品不在にもかかわらずはじめて劇場アニメ行収入が400億円をえたのだ。その後もアニメ映画は安定した人気を集め、コンスタント400億円以上をキープし続けている。2016年には『君の名は。』『この世界の片隅に』『映画聲の形」』という3作品がそれぞれにヒットを記録。同年のアニメ映画行収入は663億円に達した。

 2018年前半も、脚本家岡田麿里が初監督に挑んだ『さよなら約束をかざろう』や『映画聲の形」』の山田尚子監督による『リズ』が注を浴び、『名探偵コナン ゼロの執行人(しっこうにん)』がシリーズ最大のヒットとなるなどニュースが続いたが、2018年後半も、さまざまな注作が並んでいる。(文:亮太

シリーズ最大のヒットとなる『名探偵コナン ゼロの執行人(しっこうにん)』- (C) 2018 青山剛昌名探偵コナン製作委員会

 まず筆頭は、なんといっても7月20日開の細田守監督未来ミライ』。前作『バケモノの子』から3年ぶりの新作だ。甘えん坊の男の子“くんちゃん”にができた。両親がばかり構うので、不満に思うくんちゃん。そこに未来からやってきただという“ミライちゃん”が現れる。くんちゃんはミライちゃんに導かれて、時をえた冒険に出かける。兄妹を入り口にしたストーリーは、間口は広く、行きが深いエンターテインメント作品となりそうだ。

石田祐康監督の初長編作品『ペンギンハイウェイ』 - (C) 2018 森見登美彦KADOKAWA/「ペンギンハイウェイ製作委員会

 一方、8月17日開される『ペンギンハイウェイ』は、新鋭・石田祐康監督の初長編作品。森見登美彦の同名小説アニメ化した、突如に現れたペンギンを巡って展開するひと物語見の小説はこれまでにテレビアニメ四畳半神話大系」(2010)、「有頂天家族」(2013)、映画は短し歩け女』(2017)とアニメ化されており、いずれも魅的な仕上がり。『ペンギンハイウェイ』への期待も膨らむ。

実写映画化もされた青春ストーリー劇場版アニメ『君の膵臓をたべたい』- (C) 住野よる/双葉社 (C) 君の膵臓をたべたい アニメフィルムパートナー

 9月1日には人気の青春小説「君の膵臓をたべたい」のアニメ映画開される。監督新一郎。同作は2017年実写映画開され話題を呼んだ。近年テレビアニメ実写映画が競作になるケースは多いが、実写映画アニメ映画ケースしい。果たしてアニメならではの魅はどのような形で表現されるのか。

神風動画による時えた『ニンジャバットマン』 - BATMAN and all related characters and elements (C) & TM DC Comics. (C) 2018 Warner Bros. Entertainment All rights reserved.

 また6月15日からはテレビアニメポプテピピック」の神風動画による『ニンジャバットマン』も開される。こちらは日本戦国時代タイムスリップしたバットマンとヴィランたちの戦いを描くもの。突き抜けたテンションに圧倒される1作だ。

監督自ら独自の技法を用いて作画した『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』 - (C) Les Films Sauvages - 2016

 海外作品では『インレディブル・ファミリー』(8月1日開)、『シュガー・ラッシュオンライン』(12月21日開)というピクサーディズニーの人気作の続編が控える中、8月開の『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』(セバスチャン・ロデンバック監督)に注したい。父親によって悪魔に差し出され、両腕を失った少女がたどる運命とは。先日亡くなった高畑勲監督遺作かぐや姫の物語』(2013)とも通じる、童話の向こうに人間の真実が見えてくる作品だ。(数字は「アニメ産業レポート2017」日本動画協会調べ)

『バケモノの子』の細田守監督の3年ぶりの新作『未来のミライ』 - (C) 2018 スタジオ地図