未払い残業代をめ裁判を起こしたところ、契約更新タイミングで雇用の継続を拒否されたとして、大手タクシー会社「自動車」(東京都)で働いていた6070代の社員ら12人が地位確認などをめていた訴訟の判決が6月14日東京地裁であった。

春名茂裁判長は、提訴を理由とした雇い止めなどは「裁判を受ける権利」(憲法32条)の侵だとして、会社の行為を違法だと判断。計約4000万円の支払いを命じた。内訳は働けなかった期間の賃約3850万円と、慰謝料計150万円(全員に各10万円と労働組合30万円)。

原告側は「憲法で保障された権利の侵であると判示した点や、労働組合に対する慰謝料が認められた点は画期的だ」としている。

一方で、12人中5人については、雇用の継続拒否を違法としながら、雇用継続や働けなかった期間の賃を認めなかった。原告らは敗訴部分について控訴する。

定年後再雇用の労働者の復帰を認めず

判決の分かれは、労働契約法19条の解釈だ。同条は、(1)契約を反復更新している有期労働者や(2)契約更新を期待することに合理的理由がある有期労働者について、会社側に「客観的に合理的な理由」などがなければ、契約更新を拒否できないとしている。

雇用継続が認められた7人(いずれも当時65)は、1年更新の有期労働者で、この条文が適用された。中には、契約更新が1回だけの有期労働者もいた。

一方、認められなかった5人のうち3人は当時65歳で、定年退職後の再雇用が拒否されていた。判決では、労契法19条には有期契約の実績が必要だとして、定年だった(契約が終わった)ことを理由に、労契法19条を適用しなかった。

また、残りの2人については年齢が当時75歳であり、高齢であることなどから契約更新への合理的期待は認められないとされた。

2016年には未払い残業代をめて提訴

自動車では2016年に、今回の原告12人を含む労働組合員56人が会社に対して、未払い残業代をめる訴訟を起こした。

会社側は、提訴した社員のうち、定年退職となる社員や有期社員との契約更新せず、今回の原告を含む15人が新たに裁判を起こしていた。

弁護士ドットコムニュース

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