14日、いよいよ「2018 FIFAワールドカップ ロシア」が開幕する。ここまで多くのスタープレーヤービッグマッチが特集されてきたが、合わせて注してほしいのが、ピッチ内で起こる“事件”だ。乱闘疑惑の判定など、これまでも多くの事件が起こってきたが、ワールドカッププライドを懸けた勝負ならではと言えるだろう。そこで、ロシアW杯開幕前の今、試合結果以上に大きな話題となった10の事件簿をおさらいしよう。

写真=ゲッティイメージ

◆■若き子の過ち…から受けた“戦犯扱い”

1998年フランスW杯、当時23歳のデイヴィッド・ベッカムワールドカップ初出場を果たした。イングランド代表は決勝トーナメント1回戦でアルゼンチン代表と対戦。47分、ディエゴ・シメオネからタックルを受け倒されたベッカムは、倒された状態のままシメオネの足を軽く蹴って転倒させてしまう。それを見ていた審は、ベッカムレッドカードを提示。さらにイングランド代表はPK戦の末、敗退してしまった。その後、イギリスメディアが「10 heroic lions one stupid boy(10人のライオンと1人の愚かな若者)」とベッカムを揶揄し、敗退の“戦犯”として非難を浴びた。

◆■不名誉なW杯記録! 計16枚のイエローカードが飛び交った大乱戦

2006年ドイツW杯、決勝トーナメント1回戦でポルトガル代表とオランダ代表が対戦。大会屈の好カードとして注を集めた一戦は思わぬ“乱戦”となってしまう。オランダ代表のマルクファン・ボメルが開始々の2分にイエローカードを提示されると、試合は大荒れの展開に。ポルトガル代表はコスチーニャ、デコオランダ代表はハリド・ブラルーズ、ジオバンニ・ファン・ブロンホルストの計4人が退場。90分までに提示された16枚のイエローカードワールドカップ史上最多記録となった。試合は23分にマニシェが決めた先制点を守り切り、ポルトガル代表がベスト8進出を果たした。

◆■ルーニーが相手DFを踏みつけ、C・ロナウドとの不仲騒動が勃発!

2006年ドイツW杯準々決勝、イングランド代表vsポルトガル代表の一戦。試合開始から拮抗した試合展開が続くとスコアレスで後半へ。迎えた62分、ウェイン・ルーニーリカルド・カルヴァーリョとのボールの競り合いで倒れ、立ち上がる間にカルヴァーリョの下部を踏みつけてしまう。このプレーに対して当時、マンチェスター・ユナイテッドチームメイトだったクリスティアーノ・ロナウド審判へ猛抗議。するとルーニーロナウドを突き飛ばし一発レッドで退場処分を受けた。試合は延長戦でも決着がつかずPK戦へ。最後はロナウドが決めてポルトガル代表が準決勝へ進出した。大会後はルーニーロナウドの“不仲説”が噂され騒動となった。

◆■現役ラストマッチはまさかの結末 ジダンは優勝杯を背に退場


2006年ドイツW杯イタリアフランスの顔合わせとなった決勝戦は、同時にジネディーヌ・ジダンにとって現役最後の試合だった。7分、フランスはPKを獲得すると、これをジダンが決めてフランスが先制する。対するイタリアは19分のコーナーキックからマルコ・マテラッツィがヘディングでゴールを奪い同点に追いつく。その後は両チームとも堅い守備でゴールを許さず、試合は着状態のまま延長戦にもつれこんだ。延長後半5分、ゴール前でのプレージダンとマテラッツィが言葉を交わすと、ジダンがマテラッツィに近付き、言のまま胸元へ頭突きを見舞った。試合は一時中断されると、審はジダンレッドカードを提示。稀代の名手のラストゲームは退場とともに幕を閉じた。試合はPK戦の末、イタリア代表が勝利。4度の栄冠を手にした。

◆■の手再び? 身を挺した失点阻止ベスト4進出をアシスト

2010年南アフリカW杯準々決勝、ウルグアイ代表とガーナ代表が対戦した。両チームが1点ずつを奪い、1-1で試合は延長戦へ突入。勝ち越しゴールが生まれないまま迎えた終了間際の120分、ガーナシュートウルグアイゴールに飛ぶと、ルイス・スアレス意図的に手で防ぎゴールを死守。当然、審から退場を命じられ、ガーナにPKが与えられた。「これでガーナが勝ち越しか?」と思われたが、このPKをアサモアギャンがまさかの失敗。そして、同点のまま試合終了。その後はウルグアイPK戦を制し準決勝進出を決めた。試合後、スアレスハンドしたシーンについて、「の手だ!」とアピール。これに対し“元祖・の手”ディエゴ・マラドーナは「あれは“彼の手”だ」と一蹴した。

◆■一発退場を免れた飛び蹴りに批判殺到

2010年南アフリカW杯スペイン代表とオランダ代表の顔合わせとなった決勝戦。問題のシーン28分に起こる。浮き球のルーボールシャビ・アロンソがヘディングでつなごうとすると、ナイジェル・デ・ヨングはキック阻止を図る。すると、高く上げたデ・ヨングの左足裏シャビ・アロンソの胸を直撃し、飛び蹴りを見舞う形に。このプレーに対し、審判がデ・ヨングに提示したのはイエローカードだった。デ・ヨングの極めて危険な行為、そして、レッドカードを提示しなかった審判には、試合後に批判が殺到した。試合は、両チーム猛攻を仕掛けながらもスコアレスで延長戦に突入。116分にアンドレス・イニエスタの決勝ゴールスペイン代表がワールドカップ初優勝を手にした。

◆■ランパードのW杯ゴールは幻に…ロシアW杯ではVARを導入

2010年南アフリカW杯決勝トーナメント1回戦、ドイツ代表vsイングランド代表。1点のビハインドを背負ったイングランドは猛攻を仕掛けると、フランク・ランパードが混戦からループシュートを放つ。これがキーパーの頭上をすと、ボールクロスバーに当たって跳ね返りゴールラインを割ったかに思われた。しかし、審判の判定はノーゴールスタッフとしてベンチ入りしたベッカムらが猛抗議したが、判定が覆ることはなかった。この“幻のゴール”が発端となり、ブラジルW杯ではゴールラインテクノロジーを導入。さらに、ロシアW杯からはVARビデオアシスタント・レフェリー)も導入される。

◆■処分は4カ間の活動禁止! 前代未聞の噛みつき事件

2014年ブラジルW杯で前代未聞の事件が起こる。ウルグアイ代表とイタリア代表が対戦したグループステージ第3節、ウルグアイ代表のエースルイス・スアレスジョルジョ・キエッリーニとの競り合いの中、同選手の左肩に噛みついた。この行為に対して国際サッカー連盟FIFA)は、スアレスに4カ間のサッカー関連活動の禁止を言い渡し、スアレスにとって2度ワールドカップは幕を閉じた。

◆■カナリア軍団のエース折の大ケガで大会を去る

2014年ブラジルW杯ブラジル代表とコロンビア代表が対戦した準々決勝で事件は起こる。ブラジルの1点リードで迎えた88分、ネイマールボールを受けた間、コロンビア代表DFスニガが後ろからタックル。スニガの膝がネイマールヒットすると、ネイマールは起き上がれずピッチに倒れ込んだ。そのまま担架で運ばれ試合を後に。後日、折が発表され、残り試合への出場も不可能となった。また、当たり所が数センチずれていたら、車椅子生活になりかねない大ケガとなっていた可性もあったという。スニガに対しては世界中から批判が殺到。ブラジルマフィア殺害予告したとの報道も出るほどだった。

◆■悲しみに包まれた王 歴史的大惨敗を喫した「ミネイロンの惨劇

2014年ブラジルW杯。開催ブラジルは準決勝に進出し、ドイツ代表と対戦した。サッカーブラジルにとって優勝が義務付けられた自開催。しかし、準々決勝のコロンビア戦でエースネイマールが負傷。さらに、キャプテンのチアゴ・シウヴァが累積警告のため出場停止となった。攻守の要を失ったブラジルは前半に5失点を喫すると、後半にも2点を奪われ、計7失点を献上。攻撃は終了間際の1得点に留まり、1-7の大敗を喫した。この試合はミネイロン・スタジアムで開催されたことから、「ミネイロンの惨劇」と呼ばれている。

ワールドカップでは多くの“事件”が起こってきた [写真]=Getty Images