みおです。人はしも他人には見せられない、見せたくない一面というものを持っているものです。あんなにクールでかっこいい憧れの先生が実は……!? そんなギャップは表してしまえば逆にいいのかもしれないけど、本人にとってはその姿は絶対に秘密……。それゆえ、いらぬ苦労を背負いこんでしまうこともあったりなかったり。

 今回は、そんな二面性をもつイケメン教師役な日和先生漫画『I生徒と担任P』(アイドル生徒と担当ピー)をレビューします。

 あらすじはこちら(公式サイトより引用)。

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 クラスに舞い降りた。きあふれる天使な生徒。

 学校ではクールで格好よく、自宅ではただのアイドルオタクという二つの顔を持つ教師先生。そんな彼が新しく受け持つことになったクラスに、アイドルの素質を持つ生徒が現れて…。先生のP(プロデューサー)としてのトキメキの毎日が今、始まる! すれ違いばかりの(勝手に)アイドル育成コメディ第1巻!
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 ドルオタであることをひた隠しにし、学校ではクールイケメン教師を装う先生。その姿はまさに、一般人に擬態するオタク。好きな話題を振られても、大きすぎる自分の心のに蓋をしてしまう……。すごく気持ちが分かります

 この作品を読んで感じたのは、好きなものを「好き」と表現することの難しさ。

 先生は、成人男性で、高校教師なのに男性アイドルオタクであることを“知られてはいけないこと”と考えています。「生徒にばれたらナメられてしまうのでは?」という懸念から鉄壁ガードで自分の本質を隠してしまうのです。しかし、自分の「好き(理想)」に合致する生徒・星くん入学してきて、さらに担任となってしまいます。星くんにどんどんオタな想いが募っていくのですが、にも言えなくて試行錯誤します。

 それとは対照的に、先生以外のキャラクターは、好きなものを好きと言します。星くんは、自分がアイドルに推されていると知らずにボディビルダーに憧れていることを先生告白するし、「はるる」こと宮くんは、測らずも先生の言葉によって好きな部活に入ることになります。 

 先生は他人の「好き」に対して驚いたりするけれど、受け入れてもいきます。「この人はこれが好きなんだな」って、その人のパーソナルを知ることで心の距離が縮まったりします。

 でも、他の人の「好き」を受け入れている先生が、自分の「好き」は受け入れてもらえないと思い込んでしまっている部分は、なんだか自分のことのようにもどかしいです。

 先生が好きなものに、なんの負いもなく「大好き」って言えたらいいのにと、強く思うのです。先生が「師匠」と呼ぶ星くん幼馴染安達ちゃんに相談が出来たらいいのに。先生ネットの中で、自分を女子高生と偽らずに、好きなアイドルの話を楽しくできたらいいのに。星くんに直接「アイドルになれるよ!」と太鼓判を押してプロデュースしてあげられたらいいのに。

 推しがいる人生ってめっちゃ素敵ですよね。私も好きなものが大大大好きで、大好きなものたちに沢山をもらって生きています。推しがいることの悲喜こもごも、試行錯誤を共感できるので、ぜひ読んでみてください! 今後、先生がその一歩をどうやって踏み出していくのか、そっと見守っていきたいと思います。
(文=みお

『I生徒と担任P』第1巻/柴日和