絵本作家として活躍するキングコング西野さんが、美術館建設のため、3億円の借を返済するための「寄付」を募る騒動が起きました。

西野さんは6月4日、自身のブログ更新して、これまでとは異なるテーマパーク的な要素を詰め込んだ美術館を建設する計画が持ち上がっていると報告。その費用のため「今現在まるで貯がないのに、3億円の借を抱えた」と明かしました。

さらに、「キミはどうするつもりだ?このままを見殺しにするのか?それとも、を助けるのか?」と訴えかけたうえで、募用の銀行口座「(株)にしのあきひろ」を示して「キングコング西野は今、死にかけている。これまでどおり生きていれば抱えなくてもよかったハズの借3億円をノリで抱えてしまい・・・」などとつづりました。

しかし、西野さんは翌6月5日、一部誤解を招く表現をしたと追記。「3億円の借ができるメドが立っている」ということで、「これから借りる形となります」と説明を加え、7日には「整理がつくまで、振り込みは一旦ストップさせていただきます」として、結局、募集を停止しました。

騒動はいったん収束しましたが、気になるのは、もし実現していた場合の税の扱いです。今回のような場合、どのくらい課税されてしまうのでしょうか。

法人の場合、法人税と地方税が1億1300万円

一般的に、個人が法人に寄付をした場合、寄付を受け取った法人には受贈益課税として法人税がかかります。今回、法人名義で寄付を受け取ったということなので、地方税を含めて、約1億1300万円を納める必要があります。

寄付控除の制度もありますが、これは、地方公共団体特定益増進法人などへの寄付が対になっているので、西野さんの場合は対外ということになります。

一方で、西野さん個人と法人での活動を区別することは難しいので、今回の寄付が西野さん個人に対してなされたという見方もあります。

個人の場合、1億6000万円の贈与税

西野さん個人に対して寄付がなされたとみなされる場合、西野さんには贈与税を納める義務が生じます。贈与税は、原則として受贈者課税のため、寄付した個人には納付義務がありません。ただし、受贈者が贈与税を支払わない場合には、代わりに寄付した個人に納付義務が課されます。

贈与税額は、1月1日12月31日までに贈与された財産の合計額から、基礎控除額110万円を差し引き、残額に税率を乗じて計算されます。また、税額が3000万円をえる場合には、さらに400万円が控除されます。

以上の計算に従うと、西野さんは、3億円を贈与されたので、贈与税として約1億6000万円納める必要があります。

では、3億円の現を手元に残したい場合、いくら寄付を集めればいいのでしょうか。以下の数式となります。

555,000,000円-基礎控除1,100,000円)×贈与税の税率55-控除4,000,000円=300,645,000円

つまり、およそ5億5500万円の寄付を募って、はじめて美術館建設のための3億円が手元に残る計算になります。

【監修税理士】

佐藤さとう・まさひろ)税理士

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弁護士ドットコムニュース

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