埼玉県のとある住宅街に、ちょっと不思議な新しい道路が存在します。4線の近代的なですが、たった120mで途切れ、前後には車両が通行できないよう柵もしてあります。何のために造られたのでしょうか。

まだ車両は走らない 完成後をイメージするための道路

東京郊外に位置する埼玉県志木市。また農地も多く残る住宅街に、ちょっと不思議な道路が存在します。4線の新しい道路ですが、たった120mほどで途切れてしまううえ、道路の前後には車両が進入できないよう柵がしてあるのです。

この道路線やゼブラ帯など、道路に必要なマーカー類はしっかり引かれています。と歩のあいだにはが植えられ、さらに歩自転車の通行エリアカラー舗装や看で区分けされています。一見して工事中道路とは思えないほど造り込まれてはいますが、周囲で延伸工事が行われている形跡はありません。この道路は何なのか、埼玉県県土整備部 県土整備事務所に聞きました。

――あの道路はどのような的で造られたのでしょうか?

国道254号「和富士バイパス」のモデル整備区間(以下、モデル道路)です。市民の皆様に完成後の道路イメージしていただけるよう、線やカラー舗装なども含めて整備しています。の両側に設ける「環境緩衝帯」のあり方を市民の皆様とともに検討する「環境緩衝帯整備検討協議会」で、「用地買収ができているような箇所で、(完成後の姿を)に見える形で示せないか」というご意見があり、それを受けて2012年から2013年にかけて建設しました。

――どう使われているのでしょうか?

維持管理は行っているものの、建設から少し年が経っていることもあり、最近は事業説明会などでは使っていません。ただ2017年には、地元住民の方々によるまちおこイベントの場として使われました。

「モデル道路」のおかげ? 事業が大きく進捗

――「和富士バイパス」はどのような道路なのでしょうか?

外環道の和IC出入口に位置する国道298号ノ木交差点(埼玉県和光市)から朝霞市志木市を経由し、国道298号富士川越バイパス」(もと富士川越有料道路2009年無料化)入口である富士見市の下南交差点へとつなぐ全長約6.9kmの道路です。すでに和光市朝霞市内の第一期整備区間約2.6kmは開通しています。

――事業の進捗や、開通の見込みはいかがでしょうか?

第二期整備区間は、「富士川越バイパス」に接続する下南交差点で立体交差工事を進めていますが、それ以外の区間ではまだ工事を開始していません。2017年度は、志木市区間の設計を固めました。第一期整備区間では、和ICに接続するノ木交差点付近で渋滞対策のための線増設、および(朝霞市の新河に架かる)大橋以南を暫定2線から4線にする工事を進めています。第二期整備区間はまだ用地買収が了していないこともあり、具体的な開通標などはお示しできていませんが、なるべくく開通できるよう事業を進めます。

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県土整備事務所によると、モデル道路の建設には第二期整備区間の事業を進捗させる的もあったといいます。「『和富士バイパス』の事業は1984昭和59)年度に着手していますが、モデル道路を建設したころ(2012年度ころ)は、用地買収率が5割程度でした。それが現在は9割以上の区間で了していますので、用地買収率の向上に大きな効果がありました」とのことです。

ちなみに、このようなモデル道路を建設する取り組みはほかでも。たとえば2018年6月2日に開通した外環道 三郷南IC高谷JCT間には、千葉県松戸市から市川市にかけての沿に4つのモデル道路が建設されていました。

中央が謎の4車線道路。埼玉県志木市の住宅街にある(国土地理院の空中写真、2013年撮影)。