梅雨が明ければいよいよ夏本番!九州には夏にしか見られない絶景スポットがたくさんある。今回は6月から夏休みシーズンにかけて楽しめる九州南部の夏絶景を紹介しよう。※「絶景までのアクセス」は福岡(九州自動車道太宰府IC)からの時間を掲載

【写真を見る】美しきエメラルドグリーンに輝く秘境「うのこの滝」

■ 佐多岬

本土最南端で、アメリカのニューオーリンズやエジプトカイロと同じ北緯31度に位置する「佐多岬」(鹿児島県・南大隅町)。冬でも温かく、南国の植物が生い茂っている。陽気な空の青さと、深い海の青さを分かつ水平線。そして、そこに浮かぶ小島。日本とは思えないほど爽快な景色を楽しむことができる。体力に自信があるなら、佐多岬公園から約2㎞の「佐多岬ロードパーク」を歩いて先端へ向かおう。おすすめのシーズンは、ハマユウが咲く夏。ふわりと甘い香りを放つハマユウは、白く繊細な花びらが放線状に広がり、雄々しい岬の風景に文字通り“華を添える”存在。写真に残すのもいいが、さわやかな潮風やハマユウの香りまで感じて、心の中に記録しておきたい。

【Best Timing】7月上旬~9月下旬 【絶景までのアクセス】太宰府ICから車で約5時間10分

[佐多岬]鹿児島県肝属郡南大隅町佐多馬籠417 / 0994-24-3115(南大隅町企画観光課) / 8:00~日没

■ うのこの滝

「五ヶ瀬の里キャンプ場」(宮崎県・五ヶ瀬町)から、遊歩道を散策しながら歩くこと約5分。せせらぎの音がいつの間にか激しい水の音になると「うのこの滝」まであと少し、山の中にぽっかり空いた5000㎡の広さの滝つぼが目の前に現れる。20mの高さからほとばしる滝は、正面からはもちろん、滝の裏に回って眺めることもできる。新緑鮮やかな初夏、周辺のモミジが色付く10~11月下旬が特におすすめで、日本画のような風景はまさに圧巻だ。また、少し先に上から滝が見渡せる展望台もあるので、ぜひ行ってみて。遊歩道の傾斜はやや急だが、頑張って歩いた分の感動が待っている。

【Best Timing】6月~8月 【絶景までのアクセス】太宰府ICから車で約2時間30分

[桃源郷岬]宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町三ヶ所川曲 / 0982-82-1200(五ヶ瀬町観光協会) / 8:00ごろ~日没

■ 牛深ハイヤ大橋

古くから牛深(うしぶか)で唄い継がれてきた「牛深ハイヤ節」(熊本県天草市)。そんな地元で愛される唄の名を冠した「牛深ハイヤ大橋」は、関西国際空港を手がけたイタリア建築家レンゾ・ピアノ氏の設計によるもので、全長883mと県内最長の長さを誇る。近代的なデザインだが、不思議と牛深の昔ながらの町並みや自然と調和しており、橋を含めた景観も絵になる。夜はライトアップされ、その美しさはさらに増し輝く。「道の駅 うしぶか海彩館」の2階からは写真のようなダイナミックな構図で見られるが、橋から車で約30分のところにある「遠見山(とおみやま)すいせん公園」からは橋全体を眺められる。

【Best Timing】通年 【絶景までのアクセス】太宰府ICから車で約3時間40分

[牛深ハイヤ大橋]熊本県天草市牛深町 / 0969-73-2111 (天草市牛深支所 ) / 常時開放

ウィルソン

胸高周囲約13.8m、推定樹齢3000年を誇る鹿児島県屋久島にある最大の切り株「ウィルソン株」。約400年前、屋久杉を豊臣秀吉へ献上する際に伐採されたとされ、植物学者アーネストウィルソン博士が世界に紹介したことからこの名が付いた。コケむした巨大な切り株には広さ約10畳の洞があり、木の中に入れば生命力に包まれるような不思議な体験ができる。さらに、頭上にはハート形に切り取られた森の景観が広がり、神秘的な雰囲気を演出。ウィルソン株は縄文杉登山の途中にあり、荒川登山口より片道約3時間のトレイルとなる。ガイドツアーを利用するなどして、十分な装備で挑もう。

【Best Timing】7月~9月 【絶景までのアクセス】福岡空港から飛行機で60分

ウィルソン株]鹿児島県熊毛郡屋久島町 / 0997-43-5900(屋久島町商工観光課) / 荒川登山バス券 中学生以上片道870円(九州ウォーカー・九州ウォーカー編集部)

本土最南端の「佐多岬」。亜熱帯の植物なども楽しめる