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(mansum008/iStock/Thinkstock)

東京オリンピックを2年後に控え、東京都では「受動喫煙防止条例(仮称)」をめぐる調整が続いている。

5日、都議会に提示、公表された受動喫煙防止条例案では、従業員を雇っている飲食店は店の面積に関わらず、原則的に屋内禁煙とすること、そして病院や小学校など多数が利用する施設については「敷地内禁煙」となった。

■そもそも喫煙者は他者への健康被害をどう考えているのか?

非喫煙者にとっては嬉しい展開だろうが、ここでひとつ疑問が。そもそも喫煙者たちは、受動喫煙による他者への健康被害をどのように考えているのだろうか?

記者としては、多くの喫煙者は非喫煙者に配慮しており、歩きタバコなどルールを逸脱した吸い方をしている人は一部のように思えるのだが…。しらべぇでは「受動喫煙で起こる他者への健康被害」への喫煙者たちの本音を調査してみた。

■喫煙者の4分の1「他人の健康なんかどうでもいい」

(©ニュースサイトしらべぇ

しらべぇ編集部が全国の20~60代の喫煙者の男女317名に調査を行なったところ、「副流煙の害については認識しているが、正直他人の健康を害することはどうでもいいと思う」と答えた人は全体の25.2%。およそ4人に1人という結果となった。

この数値を多いとみるか少ないとみるかは人それぞれだが、非喫煙者にとっては驚きの数値ではないか。

■20代喫煙者の該当率に驚き

(©ニュースサイトしらべぇ

年代別でみていくと、その差は歴然。1割台後半から2割強にとどまった他の年代と比べ、20代が45.7%と、とても高い数値になったのだ。

喫煙者が今よりずっと多かった昔と比べ、現在はタバコの害への認知が進み、上にも書いたように規制も厳しくなっている。そんな状況下で新たに吸い始めた若者たちは、もしかすると他の世代より「自己中心的」な人が多い傾向にあるのかもしれない。

■電子タバコ派のほうが「どうでもいい」

(©ニュースサイトしらべぇ

また、「電子タバコ加熱式タバコ)を吸っている」人はそうでない喫煙者と比べ、15%も「どうでもいい」率が高くなった。

タバコ規制が進む一方で、普及が進む電子タバコだが、安全性を裏付けるデータにはまだ乏しい。「ダイアモンド・オンライン」ではそのことが以下のように説明されている。

実はアメリカでは加熱式たばこはまだ販売許可が下りていない。FDA(アメリカ食品医薬品局。医薬品や食品の販売許可や違反頻の取締りなどを行うアメリカの国の機関)の諮問委員会は、2018年1月に、加熱式たばこが紙巻たばこよりも害が少ないというエビデンスは不十分だと結論付け、「紙巻たばこよりも害が少ない」と宣伝することを禁止したのだ。

今のところ、安全性も健康への被害もはっきりとはわかっていない電子タバコ。10年や20年が経ち、想像以上の健康被害が判明し、タバコ税では到底補いきれない医療費がかかってしまう…なんて最悪の未来が訪れないことを願いたいものだが。

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(文/しらべぇ編集部・尾道えぐ美

【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」 調査期間:2018年5月18日~2018年5月21日
対象:全国20代~60代の喫煙者の男女317名(有効回答数)

副流煙で他人の健康を害するのは「どうでもいい」 喫煙者の4分の1が該当