歌手の宇多田ヒカルさんが6月27日、7枚目のアルバム「初恋」を発売した。アルバムには、11月から始まる12年ぶりの全国ツアーの先行応募抽選券が封入されている。
アーティストのコンサートやイベントではこれまで、転売目的のチケット購入が問題視されてきた。今回の先行抽選では、こうした転売問題への対策としてか、同伴者も含めた顔写真の登録と当日の確認が必要になっている。ファンの間では「完璧な対策」「ばっちりだな」と、対策の徹底ぶりに驚きが広がっている。
大量購入して1人で複数回応募しても1回としてカウント
先日行われた安室奈美恵さんの引退コンサートでも、電子チケットの導入や当日の身分証確認などが行われ話題になったが、今回の対策はその更に上を行っている。
抽選申し込み希望者は、専用サイトで会員登録ののち、顔写真をアップロードする。写真の登録がないと抽選対象から外れてしまうため、ごまかすことはできない。
応募の際は、第三希望の会場まで記入でき、最大2枚までの申し込みが可能。2枚申し込む際には、同伴者も会員登録・顔写真登録が必要になる。同名義による複数応募(複数シリアルナンバーでの応募)は1回の応募としてカウントされるため、CDを大量に購入して抽選確率を上げようとしても無意味だ。
こうした対策には、
「他のアーティストも導入するべきだと思う」
「転売屋が税金も払わず警察に捕まりもせずに一人勝ちなことをしているから、これをスタンダードにして欲しい」
など、概ね好意的な反応が多い。
メルカリでは抽選券が1000円程度で出品中 売買成立した例も
ただ、個人情報の取扱いや、入場時の混雑を心配する人や、「いくらなんでも登録が面倒すぎる」「もっと楽でいいのに」といった人もいる。また、コンサート開催まで5か月以上あるため、「急遽行けなくなった場合にはどうしたらいいのか」と、申込みを渋る人も見られた。
抽選券には「シリアルナンバーの第三者への譲渡、転売、貸与等これらに類する行為は禁止します」と書かれているものの、メルカリでは27日時点で、1300円から1500円で抽選券が数十枚出品されていて、既に取引が成立したものもあった。
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