後半37分に長谷部を投入 無難なパス回しで時間を使って0-1のままタイムアップ

 日本代表はイエローカード2枚差に救われた。現地時間28日に行われたロシアワールドカップ(W杯)グループリーグ第3戦でポーランドに0-1と敗戦。しかし、セネガルとの2位争いを反則ポイントの差で制し、ぎりぎりで日本が2位突破を決めた。だが後半の終盤、日本は無難なパス回しに終始し、会場から大ブーイングを浴びる一幕が起きている。

 西野朗監督は、この運命の一戦に向けスタメン6人を入れ替える大胆采配。センターバックにDF槙野智章、中盤にMF山口蛍を起用し、前線は総入れ替え。FW岡崎慎司とFW武藤嘉紀、左にMF宇佐美貴史、右にはサイドバックが本職のMF酒井高徳を起用した。

 後半14分、中央やや左サイドの浅い位置からのフリーキックがゴール前に入ると、DFヤン・ベドナレクにマークが振り切られ、右足で蹴り込まれ日本は失点。このままいくと他会場の結果次第という状況に追い込まれた。

 西野監督は同20分、宇佐美に代えてMF乾貴士を投入。そして同29分には同時刻開催の別会場でコロンビアの先制弾が生まれる。2試合がそのまま進むと、コロンビア勝ち点6で首位突破、日本とセネガルが勝ち点4で並ぶが、イエローカードの差で日本が優位という状況だった。

 そんななか、同37分には最後の交代カードで主将のMF長谷部誠を投入。攻め手の一手というよりも、このまま試合を終わらせるもので、日本は後方で無難なパス回しに終始すると、攻める姿勢を一切見せない日本に会場からは大ブーイングが飛んだ。一方、ポーランドも1点リードし、このままいけば勝利とあって無理をせず、パス回しの際にはブーイングが起きている。この光景を見た観客は、試合終了を待たずにゾロゾロと会場を後にし始め、後味の悪い雰囲気のまま0-1で試合が終了した。

 結局、コロンビアセネガルに1-0と勝利。コロンビアが勝ち点6で1位通過し、日本とセネガルは勝ち点、得失点差、総得点、直接対決の結果で並び、日本はイエローカード2枚差で2位通過が決まった。試合後に結果を知った日本の選手たちは喜びを露わにしたが、会場は歓喜とは異なる空気に包まれていた。


(大木 勇(Football ZONE web編集部) / Isamu Oki)

日本の“つまらない”パス回しに帰宅するファン【写真:Getty Images】