
2-2で迎えた後半ATに悪夢のカウンター被弾
日本代表は現地時間2日、ロシア・ワールドカップ(W杯)決勝トーナメント1回戦でベルギーと激突し、2点を先行するも追いつかれ、後半アディショナルタイムに痛恨の逆転ゴールを許して2-3で敗れた。
2-2で迎えた後半アディショナルタイムに日本がCKを獲得。MF本田圭佑のキックはそのまま相手GKティボー・クルトワにキャッチされると、素早く前方のMFケビン・デ・ブライネにつながれベルギーの高速カウンターが発動した。自陣エリア前からドリブルで一気に持ち上がると、右サイドへパス。勢いよく駆け上がったDFトーマス・ムニエからラストパスがゴール前に送られると、FWロメル・ルカクがスルーし、最後は途中出場のMFナセル・シャドリが流し込んで勝負は決した。
「カウンターを仕留められると思った瞬間なのか知らないけど、(GK)クルトワ選手が(ボールを)持った瞬間、僕も全速力で追いかけたけど、追いつけない。スピードが落ちることなく、気付けば僕らのゴール前にいる」
シャドリがシュートを放った瞬間、すぐ背後から身体を投げ出すスライディングタックルで阻止を図ったのが昌子だった。「僕らがあれだけ後ろから追いかけて、足音が聞こえてパスがちょっとマイナスにいったとか、スピードが落ちるだけでも、俺の最後のスライディングが届いたと思う」と失点場面を振り返るが、「なんせ落ちない」と驚愕の高速弾だった。
ベルギーの選手が同時に描いたゴールへの青写真
「全員が同じことを思った瞬間なのか。点取れると思ったんやろうなと。なんで追いつけんのやろっていう悔しさがあった」
本田のCKがGKクルトワにキャッチされた瞬間、ベルギーの選手たちが同じ“青写真”を描いたのではないかと昌子は指摘した。実際、クルトワが前方へボールを放り投げると同時にベルギーは5人が一斉に駆け上がり、4人が置き去りにされた日本は後方に3人が残るのみ。数的不利の日本は対応が後手を踏み、デ・ブライネに寄せ切れず、揺さぶられて決勝弾を喫した。
「なんで追いつけんのやろ」
それが昌子の偽らざる本心だった。あと少し相手の攻撃が遅れていれば――。あと少し自分が早く戻っていれば――。世界最高峰のカウンター弾は、あまりに大きすぎるインパクトを与えた。
(大木 勇(Football ZONE web編集部) / Isamu Oki)

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