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中国国内では、習近平国家主席を絶対指導者として戴き、中国共産党の権威主義に支配された人々が棲む社会を“旧世界”と呼ぶ。第二次世界大戦を舞台に悪い日本軍と戦う「抗日ドラマ」を見て育ち、共産党指導部が反日と言えば反日に、親日と指示されれば親日に傾く人々を指す言葉だ。

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一方で、“新世界”という言葉もある。

新世界と言われるのは若い一人っ子世代で、人口2億人余りの中間層です。彼らは抗日ドラマなど見ないし、そもそもテレビに関心がありません。スマホで日本のアニメを見て、ゲームに興じているのです」(在日中国人ジャーナリスト

中国共産党の立場からすれば、反日思想は“自らが政権を担当する正当性”に直結する話であり、妥協の余地はない。だが、新世界人はそうではない。彼らは日本にたびたび旅行に来て、日本に来ることで余計に日本を好きになって帰っていくので、どんなに反日教育を受けても全然なびかない。

 

日本大好き・アニメ大好き中国「新世界人」が逮捕覚悟でコスプレ投稿!?

数年前なら逮捕されるような行為も…

「中国の人々も自国の経済力を実感する場面が増え、相対的に日本へのコンプレックスが廃れたことも反日扇動策に反応しなくなった理由のひとつでしょう。彼らは一人っ子で甘やかされて育っていますから、消費することにも貪欲で、日常の買い物も日系のコンビニで済ませます。反日になびかない人々を象徴する事件が起きたのが昨年8月23日のことでした。上海市の抗日記念館として有名な四行倉庫の前で3人の中国の若者が、わざわざ日本兵の軍服でコスプレして写真を撮り、それを自慢げにSNSアップしたのです。コスプレとはいえ日本の軍服を身につけるという行為は、数年前であれば、逮捕覚悟の自殺行為ですから時代は変わったというのが実感です」(同・ジャーナリスト

2016年には瀋陽市のショッピングモールで、ナチス・ドイツ独裁者だったヒトラーを思わせる口ひげを生やした安倍晋三首相のろう人形が展示されたことがあった。このときはインターネット上で《恥ずかしい》、《中国人はこんなことに心の安らぎを求めていない》というような批判が続出し、主催者が慌てて撤去するという出来事も起きている。これも新世界人と旧世界人の食い違いを表すエピソードだ。

新世界人が中国の中枢で活躍するようになるとき、日中は発展的な関係を築けるようになるかもしれない。

 

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