野球のワールドカップは、日本代表の大健闘とはいかないようだ。

「第2回WBSC U-23 ベースボールワールドカップ」が10月19日に開幕する。WBC侍ジャパン同様、稲葉篤紀監督が指揮を執ることになっているが、状況次第では、日本は「全て不戦敗」ということにもなりかねない。

「開催地がニカラグアなんですが、政局が不安定なため、外務省は『レベル1』の危険地扱いをしています。直接、NPBスタッフを訪ね、その旨を伝えました。口では『気をつけてくださいね』とやさしく言っていましたが、今後、現地の治安が回復に向かうとの情報もないので」(球界関係者)

 同大会に臨むチームはプロアマ混合となる。だが、プロ側は選手選出に難色を示している。開催期間が10月半ばということは、クライマックスシリーズ日本シリーズとぶつかる。23歳以下と年齢制限こそされているが、大半は二軍選手となりそうだ。こうした選手招集に苦戦していたところに「レベル1通達」がされたため、関係者の間で「最悪の場合は不参加」と囁かれるようになった。

U-23大会の後、日本国内で日米野球が開催されます。日米野球は4年ぶり、米国側との共催とはいえ、こちらはNPBの収益につながるので、日米野球があるのだから、U-23大会は無理をしないほうがいい」(前出・球界関係者)

 U-23主催側も開催地や期間の見直しも検討しているものの開幕まで半年を切っているため、変更は難しいだろう。「レベル1通達」は、プロ側の協力が得られないNPBの内情にトドメを刺したとも言えそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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