7月8日に放送された『初耳学』(TBS系)では、林修氏が教師志望の学生を相手に、様々な質問に答えながら、現行の日本の教育システムや部活動についての考え方を問いた。

「日本の教育制度は150年遅れている」「部活動を学校でやらなければいけないというのは思い込み」などを主張し、学生たちに新たな価値観を与えた。(文:石川祐介)

「最もシステムが遅れているのが教育制度といっても過言ではない」

画像は番組公式サイトから

番組内で学生から「どのレベルの生徒に合わせて授業をしていくべきなのか教えてください」と質問される。林氏は「難しい問題」とした上で「現行制度が続くのであれば、真ん中ぐらいに合わせるしかないのかなと思いますね」と回答。

林氏は高いレベルの学力を生徒に求め、足りない部分は個人で補うことが理想というが、「これを公立の小学校中学校でやると大変なクレームがくる」と話す。そもそも

「(習熟度がバラバラの30~40人を一度に教える)集団教育自体が、時代遅れで不幸なシステムで、明治(時代)以降、西洋のいろんな制度を取り入れて、この国は発展してきたんですけど、その時に教育制度も西洋から取りれましたよね…ほとんど変わってないですよね。150年以上変わってないです」

といい、「最もシステムが遅れているのが教育制度といっても過言ではない」と主張。グローバル化やAIの発展など個別勉強ができる環境も整っているのに集団教育は維持すべきなのか疑問に感じている。日本の教育制度は凝り固まっていると言えそうだ。

生徒からナメられる教師は自信の無さが原因

次に、「生徒にナメられないかとても不安です。どうしたらいいですか?」と質問した学生は、若い先生ほどバカにされる傾向があると語り、自身もそうなってしまうのではないかと不安を口にする。

すると、林氏は「ここはちょっと厳しいことを言わなきゃいけないのかな…」と前置きをし、「『ナメられるんじゃないか?』って不安は相手に伝わります。キャリアが無くても自信を持たないとナメられる」

とナメられるのは若さから来る自信の無さだと説明。仮に何か間違っても、すぐに誤りを認め潔く謝罪をすれば、信頼を獲得できると語気を強めた。

林氏は「ブラック部活」についても言及した。日本の中学校教員は、「週間の平均勤務時間」が約53.9時間で、「課外指導の平均時間」が約7.7時間。日本の教師の労働時間はありえないと述べた上で、「かなりの時間が部活動の指導に持っていかれてる」と解説した。

「課外指導の平均時間」が1時間以下のスウェーデンでは、部活動がなく地域のスポーツクラブなどで運動する子どもが多いようで、「部活を学校でやらなきゃいけないっていうのは、ひとつの思い込みじゃないかな」と話す。

そして、「例えば、『卓球部の顧問やってくれ』って言われて、卓球の専門でもない人が顧問をやることは、本当に生徒にとって幸せなんですか?」と現行の部活動の制度に対しても懐疑的な見解を示し、スタジオ内から納得の声が上がった。