太平洋に散骨する――オウム真理教の元代表、麻原彰晃(本名・松本智津夫)元死刑囚の遺骨について、四女の代理人が会見でこんな方針を示した。国に費用負担や警備の協力も求めている。

今回の件は特殊ケースだが、一般的に遺族が「太平洋に散骨」をする場合、費用はどれくらいかかるのだろうか。実際に、北太平洋に位置するハワイ沿岸で散骨する事例を手掛けたことがある国内業者に話を聞いた。

「散骨にかかる費用」協力求めているが...

四女の代理人、滝本太郎弁護士2018年7月11日、都内で会見を開き、墓地の「聖地」化を避けるため、遺骨をパウダー化して「広い」太平洋にまく考えを示した。元死刑囚を信奉する信者らによる遺骨を狙った動きも懸念されており、危険が及ばないよう国に支援を要請、散骨にかかる費用についても協力を求めた。

特殊ケースである今回の話は別にして、「太平洋での散骨にかかる費用」は、一般的にはいくら程度なのか。「太平洋のド真ん中」ではないが、北太平洋ハワイ諸島沖での散骨実績がある、国内の複数の業者に話をきくと、遺族同行の場合で30万円から100万円程度だった。参加人数や実施時期などの条件により幅がある。

関東地区のある業者によると、ハワイ沿岸なら30万円程度から。国内で行う遺骨のパウダー化作業や必要書類の手配費用なども含んでいる。船はハワイの港から出航する。中型クルーザーに職員のほか、遺族5人程度以下が乗り込むケースを想定している。遺族の「日本-ハワイ間の移動」「ハワイでの宿泊・滞在」の費用は含まれていない。現地ホテルと港の間の移動は業者側が送り迎えする。

遺族は同行せず、職員に委託するプランは10万円以上安くなり、散骨実施場面を写真撮影して渡す。

「安い」現地業者だと、国内で別料金が必要

また、別の東日本の業者によると、季節や天候状況、参加遺族の人数、船に乗り込む日本人スタッフ数にもよるが、100万円近くかかることも。5万円から10万円で請け負うハワイ現地の葬儀業者もいるが、遺骨のパウダー作業費などは含まれておらず、日本国内で別途行う必要がある。

こうした「ハワイ沿岸での散骨」希望者は、どのくらいいるのか。先の関東の業者によると、関心は高まっており、問い合わせは「月に数件」あるが、実際に依頼があるのは「年に数件」。東日本の業者は、10年以上携わる中で「5件程度」と話した。

ただ、両業者とも今回の滝本弁護士会見に出てきた「太平洋で散骨」にかかる費用については、特殊なケースなため、通常の「ハワイ沿岸の散骨」の例は参考にならない、とみる。遺骨を狙う勢力とのトラブルも想定され警備も必要だし、陸から遠い遠洋での散骨になると、大型船が必要になる。関東の業者は、滝本弁護士が求めていた「国の支援」がないと実施は難しいかもしれない、と指摘した。

海洋での散骨を選択する人も