2018年7月11日(水)、舞台『半神』が天王洲 銀河劇場にて開幕した。本作は萩尾望都の同名コミックを原作として、野田秀樹と萩尾望都が脚本を書き、夢の遊眠社で初演された作品を、今回は中屋敷法仁の演出により、装いも新たに生まれ変わった舞台だ。初日公演の前に行われた公開ゲネプロ(総通し稽古)の舞台写真と共に、出演者の桜井玲香・藤間爽子・太田基裕・中屋敷法仁(演出)のコメントを紹介する。

舞台『半神』ゲネプロより【撮影:田中亜紀】

舞台『半神』ゲネプロより【撮影:田中亜紀】

 
《Story》
体がつながった双子の姉妹 醜いシュラと美しいマリア
姉のシュラは、妹であるマリアを支えつつ生きてきた
しかし、十歳を目前にしてその身体は、負担に耐えきれず…
二人を救う方法はただ一つ、二人を切り離すこと
痩せこけて醜い容姿ながら高い知能を持つ姉のシュラ(桜井玲香)と、誰からも愛される美しい容姿だが知能が低く話すこともできない妹のマリア(藤間爽子)。だが、2人の身体はつながっている結合双生児の姉妹だった。姉のシュラは、いつまでも愛らしく無邪気で周りの人々の寵愛を一身に集める妹のことを疎ましく思いながらも、マリアを支えつつ2人で生きていた。
しかし、10歳を目前にして2人の身体はその負担に耐え切れず衰弱してしまう。救う方法はただ一つ、2人を切り離すこと。果たして、2人のゆく先は……?
 
舞台『半神』ゲネプロより【撮影:田中亜紀】

舞台『半神』ゲネプロより【撮影:田中亜紀】

 
《配役》
シュラ:桜井玲香 マリア:藤間爽子 先生:太田基裕
母:七味まゆ味 ユニコーン:永島敬三 スフィンクス:牧田哲也 ハーピー:加藤ひろた
右子・ガブリエル:田中穂先 左子・マーメイド:淺場万矢 ゲーリューオーン:とよだ恭兵  
父:福田転球 数学者・老ドクター:松村 武
 
舞台『半神』ゲネプロより【撮影:田中亜紀】

舞台『半神』ゲネプロより【撮影:田中亜紀】

 

桜井玲香コメント】
幕が上がってからは一気に駆け抜けていく、まさにジェットコースターの様な舞台です。ご観劇いただく皆さんには、最後までしっかりとついてきて頂きたいです!
最終的に遊びゴコロを芽生えさせるところまで行くことが目標なので、自分が持つパワーの全てを使って、双子の姉であるシュラを演じたいと思います!

【藤間爽子コメント】
中屋敷さんの演出はとにかく動く動く動く!
たくさん動きます。観客の皆様をひかせてしまうくらい、とんでもない演出を生みだす方です。大変なこともあったけれど、ピンクパンサーのぬいぐるみに毎日見守られながら笑いの絶えない楽しい稽古場でした。お稽古中、どんな時も1番に役者を信じてくれていたので、私は安心して自由にマリアを演じることができました。
私にとって初めての舞台。「緊張や不安でいっぱいです!」と言いたいところですが、全く不安はありません!何故ならシュラがいつも横に一緒にいてくれるから!

【太田基裕コメント】
中屋敷さんの稽古場は、僕は二度目だったのですが、相変わらずテンションと発想とが混沌とする稽古でした。「半神」は難解な戯曲ですが、何か人間の根底にあるものがふつふつと湧き上がるような作品だなと思っています。いよいよ初日を迎えます。不安など、未知な部分がたくさんあります。しかし、お客様に僕自身の想いや美学が伝えられるように精進していきたいと思います。楽しんでください。

【中屋敷法仁(演出)コメント】
『半神』という原作がはらんだ複雑怪奇な迷路。そこをさまよう俳優たちの姿が、醜くも美しい。音楽にDÉ DÉ MOUSEさん、振付にスズキ拓朗さんという気鋭のクリエイターをお招きし、演劇らしい魔法と詐術が絡み合う、不思議な亜空間が誕生した。目撃されるすべてのお客様の「人生」という劇世界が、さらに豊かに広がることを願っている。

舞台『半神』ゲネプロより【撮影:田中亜紀】

舞台『半神』ゲネプロより【撮影:田中亜紀】

舞台『半神』ゲネプロより【撮影:田中亜紀】