吉川ひなの

(画像提供:『ダウンタウンなう』©フジテレビ

13日放送の『ダウンタウンなう』(フジテレビ関西テレビ系)にて、恒例の「本音でハシゴ酒」企画が行われた。ダウンタウン坂上忍小島瑠璃子が、ゲストと酒席でトークを繰り広げる。

2軒目ゲストには、1990年代モデルタレントとして大人気を博し、現在は2児の母としてハワイで子育て生活を送っている吉川ひなのが登場した。

■「歌は迷惑だと思って辞めた」

13歳でモデルとしてデビューした吉川は、愛らしいルックスと抜群のプロポーション、天然キャラアニメ声といった強烈なキャラクターで一躍人気者に。現在で言う藤田ニコルのような存在感で愛されていた。

ファッション誌やバラエティ番組、テレビCMのみならず、ドラマや映画にも出演。1997年には『ハート型の涙』(ポニーキャニオン)で歌手デビューも果たしている。

その当時に『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』(フジテレビ系)にも出演している吉川。ダウンタウンともそこで共演していたことになる。

吉川は当時を振り返り、「自分ではちゃんと歌ってると思っていて、最後に『ありがとうございました』って言ったらマイクが入ってなかったんです」と告白。「私、口パクだったんだ」とその瞬間に初めて気がついたという。

故・朝本浩文らの手による楽曲そのものの質は高く、コアな音楽ファンからも評価されていたが、吉川自身の歌唱力に難があったことは本人も認めている。「あまりにも迷惑かなと思って(歌は)辞めました」と苦笑交じりに語った。

■誰もがCDを出していた時代

90年代はCD業界のバブル期だったこともあり、少しでも売れる可能性ありと見られれば、あらゆる芸能人がCDデビューをさせられていた時代だった。いわゆる「小室ファミリー」を筆頭に、ミリオンヒットが連発していたことが背景にある。

坂井真紀

(画像提供:『ダウンタウンなう』©フジテレビ

この日1軒目ゲストの女優・坂井真紀も例外ではなく、オンエアでは坂井の『HEY!HEY!HEY!』出演シーンも。さらに坂井のデビュー曲『太陽が教えてくれる』(EMIミュージック・ジャパン1993年)は、秋元康&後藤次利の黄金コンビが手がけるも全く売れなかったという事実にも言及された。

■「90年代女優」というジャンル

90年代に歌手としてCDを出していた女優は枚挙にいとまがない。特徴としては、大物アーティストプロデュースを手がけるケースが多く、本人のディスコラフィーにはあまり登場しない「隠れた名盤」も珍しくない点が挙げられる。

吉川や坂井のみならず、当時絶大な人気を誇った女優・広末涼子も歌手としてヒットを飛ばした。竹内まりやプロデュースデビュー曲『MajiでKoiする5秒前』(ワーナーミュージック・ジャパン1997年)はオリコン2位、岡本真夜が手がけた2ndシングル大スキ!』(同/1997年)ではオリコン1位を記録。

裕木奈江はヒット曲にこそ恵まれなかったが、松本隆細野晴臣、鈴木茂といったレジェンドが手がけた高品質な楽曲を多数リリースした。高岡早紀は故・加藤和彦の全面プロデュースで作品性の高いアーティスティックアルバムを複数発表している。

■一流アーティストもプロデュース

さらに鈴木蘭々を筒美京平が、中谷美紀坂本龍一が、遠藤久美子をCharが、ともさかりえを椎名林檎バックアップ

ほかにも宮沢りえ、内田有紀、辺見えみり、和久井映見、深田恭子、松雪泰子、瀬戸朝香、牧瀬里穂など、名の知れた女優は「ほぼ全員が歌を出していた」と言っても過言ではない。

当時売れていた女優でCDを全く出していないのは、パッと思いつく限りでは常盤貴子くらいしか名前が出てこないほどだ。

吉川の「口パク」事件は、そんな時代の「歌えないやつにも歌わせろ」という空気感が生んだ、必然的な悲劇であったと言っていい。

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(文/しらべぇ編集部・ナカニシキュウ

吉川ひなの、歌手時代は「知らずに口パクさせられていた」 CDバブルが生んだ悲劇