国際自然保護連合の「EN(絶滅危惧1B類)」に指定され、レッドリストに掲載された「ニホンウナギ」。そんなウナギを絶滅させる「キャンペーン」を名乗るツイッターアカウントがある。

J-CASTニュース2018年7月12日、このツイッターアカウントうなぎ絶滅キャンペーン」に取材を行い、その「活動」について話を聞いた。

「販売禁止などとんでもない」と「世論工作」

蒲焼きとして食べられる機会の多いニホンウナギの資源状況は危機的だ。食用のニホンウナギの90%以上を占める養殖は、自然界で採取された稚魚・シラスウナギから育てられる。そして、シラスウナギの漁獲量は激減している。

そんな中、ツイッター上に忽然と出現したアカウントが「うなぎ絶滅キャンペーン」だ。過去の投稿を拝見すると、

ニホンウナギ絶滅危惧種であることは識者にはよく知られた事実ですが、ウナギの絶滅を目論む我々一派はこれを隠し、いかに平然とウナギを販売し続けるかが重要です」
ウナギを食文化として販売禁止などとんでもない、という世論を作ることがウナギ絶滅への着実な一歩となります」

と、「熱く」絶滅を訴えている。

絶滅してしまえば、食卓に並ぶことが一切なくなってしまう。それにも関わらず、何故絶滅に向かわせようと目論んでいるのか。

うなぎ絶滅キャンペーン」さんに、そもそもこのキャンペーンとはどういうものかを聞いた。7月9日の投稿がその中心とのことで、見てみると、

「当アカウントウナギの絶滅に向けて、販売推進を行ってくださる企業様を応援しております。ウナギを絶滅させるにはこうした企業様がなんら絶滅の心配がないかのように販売していただくことがとても効果的です」
「絶滅危惧まで追い込んだのです。絶滅まであと一歩がんばりましょう」

今年の「土用の丑の日」も新商品続々

アカウントの登録を行ったのは7月5日である。しかし、12日夕現在約7700人のフォロワーを抱えており、中にはジャーナリスト津田大介さんもいる。フォロワー以外でも、コピーライターなどとして活躍する糸井重里さんが投稿に「いいね」するなど著名人の注目も集めている。

何故、これだけの注目を集めているのか。

実は、環境省レッドリストで絶滅危惧IB類にカテゴリーが変更された13年から土用の丑の日を「うなぎ絶滅キャンペーン」と揶揄する声がチラホラと上がっていた。

確かに、7月20日8月1日と近くに土用の丑の日があるが、ツイッターを開いてみると、大手スーパーコンビニなどの小売、回転寿司チェーンなど飲食店が挙って、「国産ウナギ」を大々的に売り出しており、「絶滅危惧種」になっていることをつい忘れてしまいそうだ。これらの情報を、アカウントでは積極的に拡散している。

始めた動機については、土用の丑の日はうなぎ消費の特異点だとした上で、

「今年も日本全国でうなぎ絶滅キャンペーンが実施される中、当アカウントはわずかばかりPRを助けられればと思ってはじめました」

絶滅が近づくにも関わらず、ウナギ消費を勧める日本社会。こうした矛盾への「皮肉」として、多くのフォロワーは受け取っているようだ。

「絶滅させるためには重要」なのは?

国際環境NGOグリーンピースジャパン東京都新宿区)が行った「ウナギの消費に関する意識調査」(インターネット調査、ウナギを食べている全国20代から60代の男女1086人)で、絶滅危惧種であることを知らない人が41.7%だった。その中で、絶滅危惧種であると知った人は2人に1人は食べるのをやめるか控えると回答していたことを挙げて、

うなぎの絶滅への進捗状況は広く知られないことが絶滅させるためには重要かと考えております」

と、訴えた。

しかし、不安もあるようだ。ニホンウナギワシントン条約付属書掲載が濃厚となっているとの報道である。「今後の進捗は順調には進まないかもしれません」と、「悩み」を吐露していた。

「うなぎ絶滅キャンペーン」トップページより