現在放送中の月9ドラマ絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』で主演を務める俳優・沢村一樹。本作の第一報が出た際、“50歳で月9初主演”というフレーズが大きく取り上げられたが、沢村は「50歳という数字があんなにメディアで踊るとは思っていなかった」と苦笑いを浮かべつつも「でもこの数字が取り上げられて、実はワクワクしているんです」と語った。そこにはどんな思いがあるのだろうか――真意を聞いた。

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 本作で沢村が演じる井沢範人は、AIが統計学的に、殺人を犯す可能性が高い危険人物として割り出す“未然犯罪捜査システム=ミハンシステム”の実用化プロジェクトの一員としてチームリーダーを任された男だ。

 「この話をいただいたとき、正直とても驚きました」と沢村は語ると「最初『刑事もの?』と思ったんです。ジャンル的にも多いし、僕自身もしっかり(過去の作品との)演じ分けができるのか不安だったんです。しかも月9ですからね」と理由を説明する。

 しかし、制作陣の話を聞き「なにか新しいものに挑戦したいという空気が伝わってきた」と心が動いたという。さらに「内容を聞くと、おとぎ話みたいな刑事ドラマになってしまう危険性があるなか、台本を読ませていただくとリアリティもあり、なによりすごく面白かった」と時間と共に、不安は完全に消え去った。

 沢村は「みんながやっているから(やる)」という言葉が「大嫌い」だという。「みんなに合わせることでなにかが生まれるとは思わない」と断言する。その意味で、本作の「ミハンシステム」という新しい理念や考え方によって起こりうるさまざまな問題やアンチテーゼは、沢村にとってはとても刺激的なテーマだったようだ。

 前述したように、沢村が月9で主演を務めると報道されたとき“50歳”という言葉がメディアを賑わせた。このことについて「年齢を強調するんだ、すごいな」と感じたというが「僕はワクワクしたんですよね」とも語る。

 その理由を問うと、「僕のなかに尊敬している先輩が何人かいるのですが、その一人に内藤剛志さんがいます。僕がデビューしたときにご一緒したのですが、そのとき内藤さんは42歳だったんです。僕は内藤さんみたいな人になりたいと目標にしてきた。先日久々にお会いしたのですが、やっぱりすごく格好いいんです。目標にしてきて良かったと……。同じように、僕が50歳で月9の主演を務め、若い人たちが『50歳ってこんな感じなんだ、なんか年をとるのもいいな』って思ってもらえたら嬉しいです」と意欲的に捉える。

 さらに“50歳”という報道が出た際、SNS上でも「信じられない」という声が多く聞かれた。沢村は「先が読める仕事のやり方はあまり好きじゃない。どんなことが起きても、しっかり対応できるように、あらゆることに興味を持ってアンテナを張っていたい。こういう姿勢が老け込まないことなのかも」と真顔で答える。

 それでも「こんなこと言っていますが、やっぱり単純にモテたい気持ちが強いんじゃないですかね」とニヤリ。続けて「いつも話しているのですが、僕は53歳を人生でモテるピークに設定しているんです。まだまだ先輩には格好いい人がたくさんいます。エンケン遠藤憲一)さんや光石研さんとこの間ご一緒したのですが、やっぱり格好いい」と羨望の眼差しを向ける。

 沢村本人も、自身の表情や佇まいの変化を感じる瞬間があるという。「この間、自分が映っている映像をみて、エンケンさんや光石さんのような、年齢を重ねたからこその格好良さが、自分も少し見えてきたのかなと感じたことがあったんです。その年にならないとできない表情や役柄ってあると思うので、これから先、俳優生活がもっと楽しみになってきています」。

 「『絶対零度』は僕が出ていますよ」と語った沢村。画面に映る井沢がどんな顔を見せるのか――今後の展開が楽しみでならない。(取材・文・撮影:磯部正和)

 ドラマ絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』は、フジテレビ系にて毎週月曜21時放送。

沢村一樹、『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』インタビュー クランクイン!