中国の急速な経済成長に伴い、環境汚染が深刻な問題となっている。大量生産・大量消費によって生まれる大量のゴミを環境を汚染せずにいかに処理するかなど取り組むべき課題は多い。その点、環境保護意識の高い日本から中国が学べる点は少なからず存在すると言えるが、中国メディアの捜狐は16日、「環境保護に熱心なはずの日本人はなぜビニール袋に執着するのか」と疑問を投げかける記事を掲載した。

 ビニール袋は防水、絶縁の効果を持つので便利な様々な使い道がある。スーパーやコンビニで買い物をすれば商品をビニール袋に入れてもらえるが、ビニール袋が環境に及ぼす影響は決して小さくないと言える。記事は、「ビニール袋は扱い方によっては環境汚染につながりやすい存在だ」と伝えた。確かにビニール袋は自然に分解されることはないため、正しく処理しないと環境への負担は大きく、中国では投げ捨てられたビニール袋による汚染は「白色汚染」と呼ばれ、問題となっている。

 記事は、日本における生活でビニール袋は必要不可欠な存在であり、買い物をはじめとする様々な用途で広く使用されていると紹介する一方、「白色汚染」が起きないよう努力もしていると紹介。たとえば、焼却処理しても有害物質ができるだけ生じないよう素材を改良したり、繰り返し使用したり、さらにはビニール袋を有料化することで消費量を減らすなどの取り組みを行っていると伝え、便利な存在であるがゆえに、日本人はビニール袋に執着しているが、その背後では環境汚染が起きないよう努力しているのだと紹介した。

 中国では日本のような過剰包装はあまり見られないが、日常的に使用される使い捨てのビニール袋の量は非常に多い。中国政府は一定の厚さのビニール袋を店が無料配慮することを禁じているが、薄いビニール袋はこれに該当しないので、市場などでは破れるかどうかのギリギリの薄さの袋に商品を入れる。つまり、中国で多用されるビニール袋の多くは薄いタイプのもので、そもそも使い捨てが前提となるためゴミは増える一方だ。

 それゆえ、中国人が日本人のビニール袋を繰り返し使うなどして環境への負担を減らそうとしていることを見ると、「日本人はビニール袋を使い捨てのゴミとして見ておらず、目的を持って使い、活用している」と驚くようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

ビニール袋に執着する日本人、その背後では環境汚染が起きないよう努力=中国