2018年は明治元年から150年に当たり、各地で明治維新150周年のイベントが開かれている。明治維新が日本を大きく変え、近代化と西洋化をもたらしたことは間違いないだろう。中国でも明治維新はかねてから注目されており、先日には南開大学で「明治維新と近代世界」に関する会議が開かれた。中国メディアの快資訊は2日、その内容を伝える記事を掲載した。東アジアの歴史を書き換え、世界の構造を変えるほどの影響を与えたと伝えている。

 記事はまず、日本が幕末の激動の中で明治維新を実現できたのは「幸運」だったと紹介した。ある専門家は、明治維新には問題もあったものの、方向性としては正しかったと分析している。

 では、東アジアをはじめ、世界にどのような影響を与えたのだろうか。専門家の1人は、「世界の構図を変えた」と指摘。国際的にみて東アジアの今の立ち位置があるのは明治維新があったからだという。世界の構図の中心が欧州だけでなく、米国とアジアの日本が含まれるようになり、これは大きな変化だったとしている。また、日本は明治維新での富国強兵政策により、20世紀に入って「突如として世界の強国になった」と言えると別の専門家は論じた。

 もっとも、これまであまり強調されてこなかったことだが、明治維新には負の側面があるのも事実だ。記事は専門家たちの間で、この点も研究されるようになってきたと紹介。とりわけ、明治維新により日本が自衛のためではなく「必然性がないのに進んで戦争を始めた」ことは、アジアのみならず世界を震撼させているという。これは関係国だけでなく、国際関係や社会秩序にも負の遺産となったと専門家の1人は主張している。

 日本でも明治維新に関する研究は以前からなされているが、中国の視点から見た明治維新は、日本の研究とはまた違った角度で興味深い。記事では特に負の側面も忘れてはならないと指摘している。明治維新150周年にあたる今年、明治維新への理解を改めて深める良い機会とすることができるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本は明治維新で「突如として世界の強国になり、東アジアの歴史を書き換えた」=中国