する人、帰を出迎える人が皆、久しぶりの再会に心躍らせているわけではない。憂な気持ちで帰する人の本音に迫った。

◆帰りたくない夫と孫疲れする祖

 関係でトラブルになりがちな義実家問題だが、お盆の帰がツラいのは妻だけではない。夫の悩みはよりストレートだ。河本さん(仮名・43歳)の憂は、すでに初から始まっている。

「私がまとまった休みを取れるのはお盆のみ。そのため実家北海道家族4人で帰すると、LCC割を使っても費だけで20万円はかかり、一度の帰30万円以上の出費になります。安い航空券の発売開始が5月頃なので、発売日はからパソコンの前で待機して必死です。30万円あったら海外旅行に行けますよね」

 一家を支える大柱にとって、帰の出費はバカにならないのである。さらにはこんな意見も。

「マンション購入で妻の実家から頭を借りて以来、義に頭が上がらない。それまでは年末年始もお盆実家で過ごしていたんですが、『お盆くらいは孫を連れてウチでゆっくりしないか』なんて言われたら逆らえません。お盆は気が重いです」

 そう宇野康浩さん(仮名・37歳)は新居購入を機に、生殺与奪の権を握られてしまったようだ。

 ただ、そんな強大なパワーを持つ祖側にとっても、実は帰シーズンは大きな負担だ。7月20日朝日新聞の投書欄に掲載された60歳の医師に、シニア世代から采が上がっている。川田千賀さん(仮名・75歳)も、この投書には共感しきりだ。

「孫の面倒を見たり、食事や布団の準備をするのは一苦労。孫たちが帰った後に体調を崩す年寄りが多いそうなんですよ。だから帰の際は、実家ではなくホテルに宿泊するのが親孝行だという投書でした。実際、私も孫と会えるのはすごく嬉しいけど、一緒にいると30分くらいで疲れちゃうから場は特にツラいの。それに田舎までわざわざ来てくれるんだから、息子にも気を使うでしょ。ホテルに泊まるのは味気ないけど、正直、迎える側の気は楽よね」

 帰する側は心と財布をすり減らし、迎える祖世代もまた、暑い場に老ムチ打って残り少ない命を削っているのだ。

 こうしたお盆問題に解決策はあるのだろうか。育児系サイト代官山スタイル」編集長の遠藤るりこさんに聞いた。

逆転の発想で、いっそのこと田舎から親を呼んでしまえばいいのです。近所のホテルに泊まってもらい、食事も外食で楽しめば、互いのストレスは緩和できます。祖旅行を楽しみながら孫と気楽に遊べるし、私たちは親孝行できる。まさにWin-Winでしょう」

 お盆実家で先祖の霊を慰めている間に、現世を生きる家族がギスギスしては本末転倒だ。人生の優先順位を捉え直せば、結論はおのずと明らかだろう。

<取材・文/野中トム岡田雄(清談社) 長谷川(本誌)>
お盆がツラい! ―