11日、都内の東京都写真美術館ホールで、映画『返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す』のムーブオーバー記念感謝祭舞台あいさつが行われ、演の井新、戸田菜穂、佐野史郎石橋中島歩、そして柳川監督が登壇。8日に67歳で亡くなった翁長雄志沖縄県知事を悼んだ。

 舞台あいさつ冒頭、沖縄の基地負担軽減を訴え続けた翁長知事の訃報に触れた柳川監督が「知事は本土と沖縄との温度差を埋めたいと努されていた方。この映画をたくさんの方に観ていただいて、めてその温度差を埋めることができれば、知事のご遺志に報いることができると思います」と思いをると、井をはじめ出演者らも頭を下げ、故人への敬意の念を表した。

 今なお基地問題で揺れる沖縄への思いを「今沖縄の問題が局面を迎えている中で、この作品が皆さんの中で何かを考えるきっかけとなれば幸いです」とった井に、佐野も「自身、俳優人生で役柄を通してこの歴史を学んできたことは沢山ありますが、今回もまた一つ、この作品を通して沖縄返還のことを学ぶことができました」と続く。

 石橋もまた「沖縄返還に対し、自分は60年代中盤から初頭にかけて反体制として学生運動に参加していました。でもこの映画に出演したことで、体制内にいた千葉さん(=井が演じる実在の外交官)のような方が、過酷で摯な戦いをしていたことを知り、勉強と教訓をいただきました。もし千葉さんが今生きていらしたら、現代の沖縄についてどんなことを考えて、どんな行動をとったか。これは本土の方々も現在の問題として考えてもらって、沖縄が置かれている現在の位置付け、日本未来について今一度考えていただける機会になれば嬉しいです」と思いをった。

 井自らマイクを持って観客席に降りたティーチインでは、高校生からの意見が続き、「こんなことが沖縄で起きていたことは授業でも勉強したことがなかった。だからこういう問題があることを、みんなで知ってもらいたくて、友達3人連れて観に来ました」「自分自身、沖縄のことを考えたことがなかったけれど、自分たちの世代が自分たちのを作っていくことの自覚を持って、過去に起きたことを知っていくことが大切だと思います」という感想に、出演者たちも感量の様子。石橋は、「かつて、ひめゆり部隊の女の子たちが、戦争に殺されていった。今を生きるあなたたちが学んでくれて、あなたたちがこの日本の問題に立ち向かって解決してくれたらとても嬉しい。そんな姿を、は寝たきりになっても見守って生きたい」とを細めた。

 本作への出演をきっかけに「沖縄」を考えたキャストたち、そしてこの作品を観た観客、その場にいた全員が「沖縄」への思いをり、感じ合った舞台あいさつは予定されていた時間を大幅に上回って終了。登壇したキャスト監督には、最後まで惜しみない拍手が送られた。(森田帆)

「沖縄」への思いを語ったキャスト&監督