学校での熱中症事故を防ぐため、文部科学省8月7日夏休みの延長や臨時休業日の設定といった対応を検討するよう、都道府県教育委員会などに通知しました。

 記録的猛暑や、愛知県の児童が熱中症死亡したことなどを受けた措置ですが、通知には「総授業時数の確保に留意」との文言もあり、ネット上では「朗報」「ぜひ延長して」と歓迎するの一方、「しわ寄せが土曜日授業や7時間になり、負担」「共働きだから延長は困る」「今さら感満載」と否定的なも。各教委の対応も割れています。

土曜授業や休み短縮の検討もめる

 通知には、夏休みの延長や臨時休業日設定の検討とともに、それに伴う休みや休みの短縮、土曜授業実施など「柔軟な対応を検討するよう」記載。夏休みを延長する場合、学童保育の担当部署と十分連携を図ることや、夏休み中の登校日の延期・中止の検討もめています。

 さらに、学校教育法施行規則にある「校長が臨時に授業を行わないことができる」事情として、「熱中症事故防止のために必要がある場合も含まれる」と説明しています。

 この時期に通知した理由などを、文科省初等中等教育局の担当者に聞きました。

Q.夏休み期間は各教委の判断で決められるはずですが、なぜ通知を出したのですか。

担当者「今年のは、気象庁が『災害レベル』と摘するほどの暑さです。今回、新しいものを定めたわけではありませんが、暑い時の対応に既存の制度を使うことでできる、柔軟に対応してほしい、ということを知らせるために通知しました」

Q.夏休みが半分近く過ぎた8月7日になって出したのはなぜですか。

担当者「これまでにも、熱中症に注意するよう促す通知は複数回出しています。7月25日気象庁が『この先も暑い日が続く』と3カ予報を出したことを受け、これまでの通知以上の対応、夏休みの延長もあり得るとの対応が必要と考えました。

通知までに時間がかかったことは承知していますが、夏休みが長くなると『受け皿』が必要になります。放課後児童クラブ、いわゆる学童保育ですが、そうした関係など、いろいろな調整が必要でこの時期になりました」

Q.小学校の「外国語科」導入など新導要領への対応で授業時間数が増えるため、夏休みを短縮する学校が増えています。「ゆとり教育」見直し以来の流れもあり、「総授業時数の確保に留意」しながら夏休みを延長するというのは、理がありませんか。

担当者「自治体によっては授業時間数の関係が出てくると思います。懸念しているところです。ただ、児童生徒の安全には代えがたい。各自治体の状況に応じて対応してほしいと思います」

Q.授業時間確保のため、既に土曜日授業を実施している学校もあります。さらに教員や児童生徒の負担が増えてしまうのでは。

担当者「教員の『働き方革』ということも言われています。勤務時間の割り振りの際、各学校で柔軟に対応していただければと思います」

Q.は大が降ったり、インフルエンザで学級閉鎖になったりして授業時間数が確保しづらい可性もあります。そうした事情は考慮されていますか。

担当者「ご摘の通りと思います。今回の通知は、各地域、各学校でさまざまな事情があるので、の暑さに応じて対応してほしい、というものです」

Q.「夏休み延長は共働き庭に負担」というもありますが。

担当者「学童保育等の受け皿について教育委員会が担当部署とよく連携してほしい、と通知しています」

 この通知に対し、「全校にエアコンを設置しており、夏休みは延長しない」と、々に表明する教育委員会がある一方、2学期の始業式の日程を変更することを決めた教育委員会もあります。福岡県中間です。

体育の授業や下校時の熱中症を警

 福岡県の中間教育委員会は、立小・中学校計10校で8月27日に行う予定だった2学期の始業式を、9月3日に変更することを決めました。教委の担当者に聞きました。

Q.日程変更の理由は。

担当者「熱中症事故防止と児童生徒の健康確保を第一に考えたためです」

Q.教室エアコンがないのですか。

担当者「小学校中学校とも、普通教室にはすべて設置しています。特別教室も一部の教室には設置しています」

Q.教室エアコンがあっても、変更するのですか。

担当者「登下校時や、エアコンのない特別教室での授業、体育の授業での熱中症の危険性を考えました。例年、始業式の日など最初の8月の1週間は、過ぎの下校としていました。一番暑い時間に下校することになるので、児童生徒の健康面を考慮しました」

Q.授業時間はどうやって確保するのですか。導要領の訂などで授業時間数を確保するために、一昨年から夏休みを短くしたはずですが。

担当者「始業式を行う9月3日、終業式を行う12月21日をはじめ、当初給食提供を予定していなかった日も給食提供することで、午後の時間を有効活用し、授業時数の確保に努めます。土曜授業などほかの方法は検討中です」

Q.児童生徒、保護者へはどのように伝えるのですか。

担当者「学校からメール電話で知らせます。中間ホームページでもお知らせしています」

Q.共働きの保護者など、始業式の日程が急に変わると困る庭もあるのでは。

担当者「熱中症事故防止と児童生徒の健康確保を第一に考えた決断であり、各ご庭にもご理解とご協をお願いしたいと考えています」

 なお、2017年度から夏休みを短縮している堺市教委は「各校にエアコンを備しており、夏休み期間は変更しない」。授業時数確保などのため、2011年度に42日間から38日間へ、2018年度に33日間へと夏休みを短縮している富山県氷見教委は「内の学校すべての普通教室エアコンを設置しており、季休業期間の延長はしない。ただし、登校日やプール開放、部活動などは、気予報によって延期や中止など柔軟に対応する」としています。

 文科省が全学校調(冷房)設備について調した結果によると、2017年4月時点で、小中学校普通教室の冷房設置率は49.6、特別教室34.6となっています。通知によって文科省から判断を任された格好になり、悩む自治体も多そうです。

報道チーム

猛暑対策で夏休み延長も?