熱中症の症状で子どもにも死者が出るなど、猛暑が深刻です。猛暑への対応が近年問題になっており、弁護士ドットコムにも以前、小学校の臨時職員で事務を担当しているという人から、悲痛な相談が寄せられていました。

この小学校では、職員室や事務室、会議室ではエアコンがついているものの、児童がいる教室には扇風機しか設置されていないそうです。校長は「子どもたちが学校にいる間は一切、冷房を使ってはいけない」と命じてきたといいます。

相談者は蒸し暑い中での勤務で体調悪化を何度も経験する一方、臨時職員であるため校長の命令に背いて次年度の採用が見送られることを懸念し、何も言えないと悩んでいます。死の危険もある熱中症になる可性があるのに、慢し続けなければいけないのでしょうか。どう考えるべきでしょうか。

職場には安全配慮義務、違反すると責任重い

鎌田弁護士はまず、「職場は、職員が健康で安全に業務を遂行できるようにすべき安全配慮義務を負っています。これを怠って熱中症になった場合は、児童だけでなく職員についても学校責任が発生する可性があります。小学校トップ校長ですから、校長責任重いと言えます」。

その上で、「身体の安全にはかえられないので、熱中症の恐れがある場合には上に言って、エアコンの稼働を含めた可な対策をとってもらうべきでしょう。温度、湿度などの条件でルールを決めるのも有効な方策です」と摘します。

一方、臨時職員である相談者は、申し入れをすることで校長の反感を買い、報復的に雇い止めにあうことを懸念しています。この点については、労働契約法19条が問題になりそうです。

同条は、(1)契約を反復更新している有期労働者や(2)契約更新を期待することに合理的理由がある有期労働者について、使用者側に「客観的に合理的な理由」などがない場合は、契約更新を拒否できないとしています。

鎌田弁護士は「心配なら、一人ではなくて何人か協して申し入れるのも効果的でしょう」と話します。

弁護士ドットコムニュース

【取材協弁護士
鎌田 智(かまた・さとる)弁護士
上場企業の法務部長を務めた後、現在事務所を開設。
企業弁護士の経験を生かし、中小企業ビジネス法務に取り組む。
事務所名:鎌田法律事務所
事務所URLhttp://www.kamata-law.jp

「冷房使うな」校長命令で熱中症危機、苦悩の臨時職員「雇い止め怖くて何も言えない」