お笑い芸人のピースの又吉直樹が、9月より『毎日新聞』の夕刊に連載小説をはじめることがわかった。タイトルは『人間』であり、東京漫画家の夢にやぶれた男が同世代の仲間たちとの思い出を回想して行くストーリーだ。

 又吉といえば、2015年に初の中編小説『火』(文藝春秋)で芥川賞を受賞している。その後、第2作として『劇場』(新潮社)を執筆しており、本作は3作となる。新聞の連載小説は、作家としてはどのようなステイタスになるのだろうか。

 「新聞小説の一回の文字数はおよそ1600字程度です。字数や行数などのレイアウトがしっかりと決まっている場合もあり、この条件に応じて毎回山場を作って行かなければいけません。当然ながら単行本化に際しては、大きく書き直す必要もあります。締切も細かく設定されているので、継続的に執筆を行う体められます。あらゆる点において、作家としての量が問われる仕事であるといえるでしょう」(大手紙新聞記者)

 新聞小説プレッシャーがかかる仕事だといえる。だが、その分原稿料も高めに設定されており、小説執筆に集中できるやりがいのある仕事でもある。過去には、そうそうたる作家たちが新聞小説を執筆してきた。

 「又吉も敬する作家である太宰治は、未完遺作となった『グッド・バイ』を『朝日新聞』に連載していました。太宰というとウジウジとした内面を描いた小説といったイメージもあるかもしれませんが、本作はユーモアあふれる作品です。夏目漱石は『朝日新聞』に専属作家として入社し、『三四郎』『こゝろ』といった名作を執筆していますね」(前出・同)

 新聞小説の執筆で又吉作家としてのキャリアはますます豊なものとなって行きそうだ。

又吉直樹