第100回全国高等学校野球選手権記念大会で、審判員による誤審が勝敗に大きく影するケースが相次いでいる。

 甲子園大会初日の中越高校対慶義塾高校戦では、同点で迎えた8回、1アウト1塁3塁で中越がスクイズを敢行するも、空振り。サードランナーは慌ててサードに帰塁するが、捕手からのボールが三塁へ転送される。

 アウトタイミングではあったが、サードランナーがヘッドスライディングをしたため、三塁手タッチができず、「タッチ」に。慶義塾の三塁手がそれでもなぜかタッチアピールすると、なんとアウトの判定。VTRに映し出されるプレーの様子は、明らかタッチしておらずセーフだった。

 結局この回、中越は勝ち越すことができず、慶義塾が9回の裏にサヨナラ勝ち。仮にこのプレーセーフだった場合、中越が勝ち越しそのまま勝利していた可性もあった。

 また、翌日の佐久高校旭川大学高校戦でも、佐久1点ビハインドの8回、ツーアウトから打者の打った落下ギリギリのフライをレフトがスライディングキャッチ。から見ても、ボールレフトグローブに収められていた。

 ところが三塁塁審は、何を思ったかワンバウンドの判定。一度「チェンジ」と思った投手は気持ちの切り替えができず、次打者にフォアボールを与える。さらに、次の打者のフライを動揺したレフトグローブに当て落球。2点が入り、逆転となった。

 この後、旭川大学高校が追いつき延長に入り、大会史上初のタイブレークになるのだが、その裏には重大な「誤審」があった。この件については、現在北海道を中心に怒りのが上がっており、「ふざけるな」「やり直すべきだ」「謝罪しろ」など批判現在も上がっている。

 当然、プロ野球のようにビデオ判定を導入しろというも多い。しかし、高野連はそのような動きを全く見せず。たとえ間違っていたとしても、「審判は絶対」と考えているようだ。

 なぜ、ビデオ判定に消極的なのか。野球関係者はこう話す。

 「先進的なことを一切導入したくないのでしょう。それこそ軍隊のように、年齢が上である審判員に対し、高校生は『絶対従』を強いたいのだろうなと。非常に、古い考え方がはびこっている世界なので。

 高校野球審判は、ほぼボランティアで、酷暑のなかベンチに入れずグラウンドに立っているわけですから、気分が悪くなるケースや、判断が鈍ることは容易に想像できます。誤審はある種仕方のない部分もある。

 ビデオ確認ではしっかりと検証できるわけですから、審判員にとっても負担が減るので、制度で導入すべきだと思います。しかし、高野連は誤審くすことよりも審判の名誉優先ということなのでしょう。

 これはあくまでも噂ですが、人気高校になると収益を考えて審判が贔屓して勝たせるということもあるようです。今年地方大会で大阪桐蔭が履正社に9回2アウトから4四球で逆転しましたが、あの件について懐疑的な視線を向ける人も少なくありません」

 熱中症対策に頓着であるなど、時代に追いつかないことが多い高野連。野球に限らずサッカーラグビーなど、誤審の防止を的としたVTR検証世界的な「流れ」なのだが、高校野球は間違った判定も審判がすれば、たとえ間違っていたとしても正解ということのようだ。

取材・文・櫻井哲夫

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