ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018   2018.8.12   国営ひたちなか海浜公園

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018』3日8月11日予報だったにも関わらず、ひたちなかには日差しが照りつけ、気温は徐々に上がりつつあった。その中でも特に暑くなっていたのはBUZZ STAGEライブごとに熱気が蓄積していくような感覚を覚えるほど、会場の中は凄まじい熱気に包まれていた。そんな中、転換のために登場した空想委員会は、ライブ衣装であるシャツとネクタイを身につけ、準備の段階で既に汗をかいていた。

彼らにとって5年連続5回の出場となった今年の『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』。転換とサウンドチェックの時間も会場に集まったオーディエンスとの大事なコミュニケーションの時間だと知っている彼らは、ときどき客席にを配りながら落ち着いた様子でセッティングをする。本番開始まで20分、客席には少しずつ人が集まり始めていた。

「ただいまサウンドチェックを行なっておりますのは空想委員会でございます。よろしくお願いします」ボーカル三浦一が挨拶をする。フェスなどでは恒例となった流れだ。オーディエンスもこの時間から何かが始まるのを知っている。
「本番開始までまだ時間がありますので、曲をやらせていただきます」
そう言うと、モニター環境などをチェックしながら「難攻不落ガール」を演奏ワンコーラス歌っただけで客席からは拍手が起こる。

せっかくくから会場に集まってくれたオーディエンスとの時間を楽しむかのように、「ワーカーズアンセム」、「キラーチューンキラー」、「波動砲ガールフレンド」と演奏し、手拍子をめたり、歌わせたりと本番さながらのリハーサルを終えると、一回ステージを後にする。この時点でギター佐々木直也は汗びっしょりだった。

本番開始時刻。再びステージに現れた空想委員会を、オーディエンスが大歓で迎える中、「劇的革命」でライブスタートした。空想委員会にとっての定番となったこの曲では、「普段は引っ込み思案の自分も心を解放してを楽しむぞ!」という前向きなメッセージを投げかける。それは会場に集まったオーディエンスに「一緒に楽しもう」という空想委員会からの提案だ。サビで「もっともっと」とオーディエンスに歌わせる箇所でははどんどんが大きくなる。ステージ上のベース岡田典之も弾けんばかりの笑顔でそれに応えた。

続いて演奏されたのは「犯罪彼女」。空想委員会インディーズ時代に名前を広めるきっかけとなった大事な曲だ。イントロからギター佐々木ベース岡田ガンガン煽り、客席にいるオーディエンスも負けじとり上げる。ついこの前までインディーズ回顧ツアーを行なっていた空想委員会は、過去に作ってきた数々の曲が持つ底のようなものを感じながらツアーを終え、大成功させたばかりだ。この日の「犯罪彼女」のギターソロインディーズ時代に彼らがリリースした『懺悔録』という自主制作盤に収録されているバージョンだった。その点からも彼らが良いツアーをやったのだという自信が見て取れるようだった。

3曲の『ディスコ』はライブの定番。この曲を待ち望んでいるオーディエンスがたくさんいる。ステージも客席も汗まみれになりながら踊るこの様子を「幸せ」という言葉以外になんと表現できるだろうか。みんなを笑顔にすることができる音楽めて感じる。ボーカル三浦からも笑顔がこぼれた。ノンストップでアッパーな曲を演奏してきた彼らだが、ここで新曲を演奏7月リリースした空想委員会の最新のCDに収録されている「宛先不明と再配達」。昨今のライブ、特にフェスのような場所でじっくり聴かせるタイプの曲を演奏することはとても難しく感じられる。音楽のせいにして、はしゃいで弾けて発散したいと願っているオーディエンスはそういう曲をめていないのかもしれない。ましてやリリースしたばかりの曲で、もが知っている名曲でもない。それでも彼らは曲に込めた思いを届けるために勝負に出た。信じていたのだ。

結果、もその場を立ち去る人はいなかったように見えた。曲が終わるまでみんながじっと聴いていた。歌いながら、ボーカル三浦はとても嬉しそうだった。その気持ちが彼の次のMCに素直に現れた。

「5年連続5回の出場の空想委員会です。5年前の自分には音楽を届けたいという気持ちが足りていなかったと思います。自分が歌いたい歌を歌えればそれで満足していました。でも、5年の間に毎年ロッキンジャパンステージに立たせてもらっているうちに、演奏する側と客席側とのができたと感じています。それを感じられたので、聴いてくれる皆さんの背中押せる曲を作りたいと思い、作った曲があります。それを最後に演奏して空想委員会の出番を終了します」

最後に演奏されたのは「エール」だ。三浦の言葉通り、初めて「曲を聴いてくれる人宛」に書かれた歌詞。それをまるでオーディエンスにりかけるように、一言一言大切に歌っているようだった。この曲もリリースされたばかりの新曲だが、それでもオーディエンスは必死で受け取ろうとしているように見えた。理由はただ一つ。を感じていたからであろう。音楽演奏する側と聴く側の関係性がしっかり築かれているからこそ、成立するやり取りである。曲の最後、三浦マイクから離れ、オーディエンスと一緒に歌うためにステージの前方ギリギリに立った。客席の歌はどんどん大きくなっていった。

5年前、このような姿を想像できただろうか。やっと空想委員会音楽を信じきることができたのだ。ステージを後にする汗だくの彼らはとても嬉しそうだった。そして、ライブが終わっても繋がり続けるを信じているからこそ、別れ際も清々しさに満ち溢れていた。きっとまたどこかで会えると信じた上での別れ。彼らはまた次のステージを確かめライブをする。


文=三浦一(空想委員会)  撮影=結城さやか

空想委員会 撮影=結城さやか