猛暑の中、日本各地で食中毒が続発しているが、米マクドナルドで今夏発生した集団食中毒についてはあまり報じられていない。

 米FDA(食品医薬品局)によると、5月にイリノイ州で感染者が確認されたのを皮切りに、中西部を中心とする15州で436人以上がサイクロスポラ症と診断された。

 サイクロスポラ症は腸管感染症の一種で、感染すると1週間以内に胃のけいれん、胃や腸のガスだまり、食欲減退といった症状が現れ、悪化すると激しい下痢を来す。治療が施されなければ、1カ月以上も症状が続くという。中米などの水洗トイレの普及が遅れている熱帯・亜熱帯地域で症例が多くみられ、通常、人間の排泄物によって汚染された野菜や果物を非加熱のまま食べることで感染するといわれている。

 今回、400人以上の感染者の多くに共通していたのは、マクドナルドの「フレッシュ・エクスプレス・サラダ」を食べていたことだ。

 その後、FDAの検査で、同商品に含まれていたロメインレタスニンジンサイクロスポラの存在が確認され、それらを納品したインディアナポリス市の食品加工業者が感染源だと特定された。同業者は、中西部のマクドナルド約3,000店に野菜を納品していたほか、トレーダージョーズクローガー、ウォルグリーンなどの量販店とも取引があったことがわかっている。 

 問題とされる野菜の産地はこれまでのところ明らかにされていないが、排泄物まみれの生野菜先進国アメリカで広範に流通していたということなのだろうか……。

 サイクロスポラ症のアウトブレイクは、日本も対岸の火事ではない。食品業界紙の記者はこう語る。

「小売価格の高騰を見てもわかる通り、葉物野菜の供給不足が続いている。原因は今夏の猛暑や豪雨災害による不作ですが、そんな中で増えているのが輸入野菜。特に生で食べる機会が多いのがキャベツで、輸入キャベツの9割以上を中国産が占めている。ちなみに中国では、過去にサイクロスポラ症の感染事例もあります」

 中国産キャベツの生食は、控えたほうがいいかもしれない。

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