第100回全国高校野球選手権記念大会で準優勝した金足農のエース・吉田輝星の発言が大きな反響を呼んでいる。秋田市内の母校で行われた報告会後に、報道陣に好きなチームを聞かれ「巨人が好きです」と発言。「巨人に行きたい?」との質問に「はい、行きたいです」と答えた。


 史上初の2度目の春夏連覇を達成した大阪桐蔭・西谷監督が「間違いなく、大会NO・1の投手は吉田君」と称賛したように、プロ志望届を提出すれば今秋のドラフトで複数球団の1位指名は必至とみられる。それだけに、吉田が巨人に送った直球のラブコールは衝撃が大きい。

 巨人と相思相愛で入団するかは予測できないが、懸念材料もある。下記は巨人の00年度以降のドラフト1位指名選手になる。

00年 阿部慎之助(中大)
01年 真田裕貴(姫路工)
02年 木佐貫洋(亜大)
03年 内海哲也東京ガス
04年 野間口貴彦(シダックス)
05年 辻内崇伸(高校生ドラフト大阪桐蔭
   福田聡志(大学・社会人ドラフト、東北福祉大)
06年 坂本勇人(高校生ドラフト光星学院
   金刃憲人(大学・社会人ドラフト立命館大)
07年 藤村大介(高校生ドラフト、熊本工)
   村田透(大学・社会人ドラフト、大体大)
08年 大田泰示東海大相模
09年 長野久義ホンダ
10年 沢村拓一(中大)
11年 松本竜也(英明)
12年 菅野智之東海大
13年 小林誠司(日本生命)
14年 岡本和真(智弁学園)
15年 桜井俊貴(立命大)
16年 吉川尚輝(中京学院大)
17年 鍬原拓也(中大)
※木佐貫、内海、野間口は自由獲得枠。福田、金刃は希望入団枠での指名。

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 80年代槙原寛己斎藤雅樹水野雄仁桑田真澄木田優夫橋本清と高卒の投手を積極的に1位指名して球界を代表する投手として活躍したが、00年以降は大卒、社会人の即戦力投手が多い。1位で入団した高卒の投手は真田、辻内、松本の3人のみ。真田は新人の年に6勝を挙げて将来を嘱望されたが、2年目以降は故障の影響もあり活躍できず。DeNA、台湾・兄弟、ヤクルトBCリーグ福島と渡り歩き、NPB通算312試合登板で24勝28敗3セーブ防御率4.42だった。

 辻内は大阪桐蔭で3年夏の藤代戦に大会記録タイ記録の19奪三振をマーク。最速156キロ左腕は将来の球界を代表するエースと期待された。05年高校生ドラフトで巨人はオリックスと末に指名権を獲得。ちなみにオリックスの外れ1巡目は岡田貴弘T-岡田)だった。ところが、辻内は左肩、左ひじ痛と度重なるケガに悩まされて1軍登板がないままプロ8年目のオフにユニフォームを脱いだ。

 松本は野球のプレー以前に、不祥事で球界から消えた。11年にロッテと競合した藤岡貴裕(現日本ハム)の外れ1位で入団。身長193センチの長身から145キロを超える直球が武器で「英明のランディー・ジョンソン」と形容されたが、14年の試合で野球賭博に関与していたことが発覚。日本野球機構から失格選手として公示され、1軍登板の機会がないままユニフォームを脱いだ。

 制球、フィールディング、けん制と総合力が高い吉田輝星は「桑田2世」と評される。巨人で待望の「甲子園のスター」としてプロでも活躍できるか。他球団で好きだった巨人を倒す野球人生を歩むか。進学を含めて吉田の今後の動向が注目される。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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