「褒めて育てましょう」とよく言われますが、ただ“褒める”といってもなかなか難しいですよね。その中に「○○だから、いい子だね」と条件付けをしたり、友達と比べて褒めたり…「その褒め方はちょっと止めた方がいいかも…」の褒め方があるように思います。

【幼児期】そのしつけ、大丈夫? 止めた方がよい叱り方&解決法6選

『「テキトー母さん」流子育てのコツ』の著者の立石美津子がお話しします。

筆者は仕事柄、多くの保護者と接し、幼稚園保育園の現場にいることが多いのですが、そんな環境の中で「あれ?その褒め方、ちょっとおかしくありませんか?」と感じることがいくつかありました。

衝撃の褒め方

ある幼稚園で実際に目にした光景です。

お絵描きの時間、「わあ、上手に描けない~!」とべそをかいている子どもがいました。そこへ担任の先生が駆けつけ、放った衝撃の一言!

大丈夫よ~みんな、下手だから~」

励ましているんだか、けなしているんだかわからないような言葉がけでしたが、思わず笑顔で明るくこう言い放った先生。でも、子ども達は何だか納得した様子でした。 まるで「赤信号、みんなで渡れば怖くない」みたいな感じですよね。

“周りも自分と同じように出来ていなかったら、ちょっと安心する。焦らなくなる”

このように他人と比較して自分の立ち位置を確認してホッとするのは、幼い子も大人も同じなのかもしれません。

おすすめしない褒め方 あれこれ

×出来ていない子どもと比べて褒める

大丈夫よ。あの子よりは上手に描けているから」と褒めたら、子どもはどう反応するでしょうか。おそらく、この褒め方でも安心した顔をするかもしれません。

“人の不幸は蜜の味”という言葉があるように、人の不幸を見て自分を慰める心理が子どもにもあるように思います。

けれども、これでは“自分より劣っている人を見下す心”が育ってしまいます。“思いやりの心”“いたわる気持ち”“優しい心”なんか生まれません。「周りに比べてあなたは偉い」という褒め方は止めた方がいいかもしれませんね。

×一定条件を付ける

  • 100点取ったから偉いね」
  • 「一番になったから素晴らしいね」
  • 「お片付けしているからいい子だね」

と無意識に「○○だからいい子」の条件付けをしてしまうことがあります。けれども、これらは裏を返せば…

  • 100点でないとダメな子」
  • 「二番手、三番手、ビリになったら価値がない」
  • 「散らかしているのは悪い子」

と暗にメッセージを送っていることにもなります。親の出す条件に到達しなかった場合、「自分には価値がない」とまで考えてしまうかもしれません。

自己肯定感、自尊感情を育てるために褒めていたとしても、こんな言い方をしていると反対に“あっという間に崩れてしまうもろい自己肯定感”が育ってしまうのです。

子どもに見抜かれてるかも!?

×社交辞令

たいして書けてもいないのに口先だけで「上手ね」、たいしたことはしていないのに「お利口だね」と機械的に口癖のように褒めるのはどうでしょうか。

子どもは大人以上に動物的直感が鋭いです。心にもないことを口先だけで言っているのか、本当に心が震えて感動して褒めているのか見抜く力があります。

すぐに口先のお世辞で言っていることがばれてしまいます。そうなると本当に褒めても「どうせ、また社交辞令で言っているんだろう」と思われてしまいます。

最高の褒め方

成績のつけ方で“絶対評価”と“相対評価”があります。

絶対評価とは、例えば90点以上でA、70点~80点はBの評価。クラス全員が95点だと全員「A」ということも起こります。周りの人に関係なく高評価になるわけです。

相対評価は、全体の中からAが10%、Bが30%というふうにクラスの中でAの人数、Bの人数が決められています。どんなに努力して結果を出しても、周りの生徒も周りがそれ以上に努力して高得点だったら、評価は悪くなってしまうのです。

こう考えると子育ての場面では、絶対評価の方が良いと思うのです。

「みんな下手だから」とか「あの子よりはマシな字よ」とか「あなたの文字がクラスで一番うまい」とかど他人と比較する相対評価はいけません。

覚えたてのひらがなを書いている子、幽霊のような字を書いていても、湯気のような消え入りそうな字を書いていても、「うん!よく頑張って紙の上に書いている、昔は机の上にはみ出して書いたのに、上達しているね」と本人の過去と現在を比較してやればよいのです。

「数年前までは一人でトイレにも行けず、ご飯食べることも出来ず、着替えることもできず何でも親がやってやらないと出来なかった子が、「今、絵を描こうとしている、字を書こうとしている。成長している」こんな風に捉えてみたら、良い褒め方ができるかもしれませんね。