文・取材・撮影:ででお

 2018年8月21日~25日(現地時間)、ドイツケルンメッセで開催されている欧州最大のゲームイベントgamescom 2018”にて、バンダイナムコエンターテインメントフライトシューティング最新作『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン』(以下、『Ace7』)がプレイアブル出展された。発売日がPlayStation4版、Xbox One版は2019年1月17日(木)発売、STEAM版は2019年2月1日(金)発売と発表され、ますます注目度が高まった本作について、ブランドディレクターの河野一聡氏にあれこれうかがったので、ぜひ読んでほしい。併せて、プレイリポートもお届け。

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【画像5点】「『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン』インタビュー&プレイリポート インシー渓谷のミッションには悪魔が潜む!?【gamescom 2018】」をファミ通.comで読む(※画像などが全てある完全版です)

今回も“くぐりポイント”を用意しています



――まずは発売日決定、おめでとうございます


河野 「おめでとう」と言ってもらうことかわかりませんが、ありがとうございます。皆様を長らくお待たせしてしまい、ご心配をおかけしました。発表にこぎつけて気持ちがホッとしたのはほんの一瞬です。皆様の反応を見て期待度の高まりを感じ、いまは大きなプレッシャーを感じています。


――新たなトレーラーも公開されましたね。ストーリーの内容が垣間見える印象を受けました。


河野 トレーラーは発売日をお伝えするだけでなく、「『エースコンバット』が本当に帰ってきたんだ」と感じていただけるように注力しました。スタッフには、心にグッとくる作りを目指してもらいました。ちなみに物語のスケールは大陸間戦争ではなく、『04』と『5』の中間くらいの規模の出来事を目指しています。雰囲気的にも、『04』や『5』に近づけていますよ。


――トレーラーの中で、「全機トリガーの周りに集まれ!」、「『トリガーについていけば生き残れる』だ」といったセリフがありますよね。シリーズ伝統であるエースパイロット気分を存分に味わえそうな予感がしました。


河野 トレーラーから物語の展開を予測する作りにはなっていますが、“ひっかけ”もあります。


――なんと……そう言われると、ミスリードで踊らされている気もしてきました(笑)。戦場も海上プラットフォームやストーンヘンジなど、“くぐりやすそう”なシーンがたくさん用意されていそうですね。


河野 くぐることに関しては、菅野(※)がいつもこだわっていて、隙あらばくぐれるポイントを仕掛けています。くぐるのがお好きな皆さんは、ぜひご安心ください。


※菅野昌人氏。本作ではアートディレクターを担当。





――とても楽しみです! あと、トレーラーの2:56に一瞬飛んでいる機体が、『5』のファルケンのように見えるのですが……。


河野 ファルケンではないですね、これまでのシリーズから流用できるものはなく、1機1機をイチから作る必要があるため苦労していますが、未発表の機体もありますのでご期待ください。


――機体と言えば、F-104プレイアブル機体であることも驚きました。スペックはやはり玄人向きのものなのでしょうか?


河野 F-104は物語のテーマ上重要な存在として登場する機体ですが、どうせならプレイヤーが操縦できたほうがいいと考え、プレイアブル機体にしました。旧い戦闘機ですが、腕に自信のある方はぜひ乗りこなしてみてください。




――gamescomの試遊では、おなじみのF-14Dのほかに、ラファール Mやタイフーンなども選択できました。機体はどのように選出したのでしょうか?


河野 gamescomは欧州のイベントですから、ヨーロッパの機体にしています。プレイアブルの機体を公開するたびに、ひとつずつマジックチェックしています。まだ登場していない戦闘機の情報に関しては、今後の情報をお待ちください。


――機体選択画面で、は、機体のステータスを表示してあるところの近くに“PARTS”という欄がありましたが……これは?


河野 何でしょうね?(意味深な笑い)


――こちらも今後の情報で……ですか。試遊では、地上攻撃が主体のミッション6と、インシー渓谷が舞台のミッション7が体験できましたが、こちらは製品版のミッションと同じ作りなのでしょうか?


河野 基本的に同じものです。ミッション7では雷雲の中を飛ぶこともできますが、いかがでした?


――雷に打たれて計器がしばらく役に立たなくなったりしましたが、目視でがんばったら意外と戦えました。


河野 そうなんです。逆に雲で視界がきかない渓谷を飛ぶときは、HUDに表示される敵のコンテナを追従飛行することで、どこに岩があるのか予測できるようにしています。ただ記号的に“雷に打たれたら計器OFF”、“雲に入ったら視界OFF”といったデジタルサインにはしたくないので、できるだけ自然現象などの表現にして、プレイヤー自身が「ここでは計器に頼れないので目視を重視して飛ぼう」と自然に遊びや攻略、飛びかたを身につけられるようなものを目指しました。


――なるほどミッション6を試遊のステージに選んだ理由はなんでしょうか?


河野 ミッション6は大規模戦役ミッションと呼んでいる内容です。大きなマップの中で、どこのエリアの敵から攻撃するかを考え、補給に戻るタイミングをいつにするか……といった戦略を楽しんでいただきたいと考えています。


――敵の数が膨大だったのですが、このステージで敵を全滅させることは可能なのですか?


河野 試遊版ではプレイ時間が実際の半分の設定になっていますし、残念ながら無理ですね。


――一生懸命全滅を狙ってしまいました(笑)gamescomではヨーロッパメディアから多くの取材を受けたそうですが、どんな点に注目が集まっていましたか?


河野 本作はライト向けなのか、それともコア向けなのか? といったことをよく聞かれました。もちろん幅広い方が楽しめるようにしていますが。ほかには、『エースコンバット』以外のタイトルで同ジャンルフライトシューティング)のタイトルが非常に減ってきているということで取材に来ていただいたメディアもありました。


――世界中にファンが存在するシリーズですが、本作を手掛けていて、ワールドワイドを意識された部分などがあればお聞かせください。


河野 正直、世界に向けて……といった意識はそれほどありません。ワールドワイドであることを気にしすぎて内容に迷いが出るくらいなら、いかにおもしろく感動できるものにできるかに注目したほうがいいものになりますから。『エースコンバット』は日本発のタイトルなので、我々の感性でおもしろいと信じて作った作品を自信を持って世界に出すことが、もっともストレートに魅力を伝えられると思っています。


――なるほど。最後に、日本のファンに向けてひと言お願いします。


河野 このあとすぐにC3AFA TOKYO、松島の航空祭、そして来月には東京ゲームショウで皆さんが体験できる場を予定しています。ぜひ楽しみにしてください。


 gamescomの会場では、ミッション6と7を体験できた。ミッション6はユーザー試遊も可能で、ミッション7はメディアのみ先行プレイが可能となっていた。スタート前に、操作方法をスタンダードマニュアルのどちらかを選べたが、シリーズ作を経験している記者は悩むことなく後者を選択。臨場感抜群のブリーフィング画面では、マップと敵の初期配置が画面に描かれ、音声および字幕で作戦内容が伝えられる。その後機体と兵装の選択画面になるのだが、最初に選んだミッション6“Long Day”の内容は地上物の破壊が多くなりそうなので、ラファール MにLACM(空対地巡行ミサイル)を装備してみた。製品版ではPARTSの空欄にいろいろな部品をセットしてカスタマイズができるんだろうか? と、妄想しつつミッションスタート。味方機といっしょに飛行していると、レーダーの前方に敵を示すアイコンがポチポチと表示され始めた。複雑な地形ではなさそうなので、地表付近まで降下しながら、特殊兵装でいちばん近い地上物を狙う。どうやら最初の獲物はAA GUN(対空機銃)のようだ。AA GUNを射程内に捉えた記者はLACMを発射し、間髪入れず通常のミサイルに切り換えてほかの地上物であるSAM(対空砲台)やトラックなどを破壊していく。ちなみにミサイルを発射したときにボタンを押しっぱなしにしたところ、ミサイルアップで映し出され、迫力の着弾シーンを堪能できた。もちろん、その間もリアルタイムで飛行しているため若干危険ではあるが、ディテールまで丁寧に描かれた地表や標的を間近で観察できるので、ミサイルを発射するたびにアップで眺めてしまった。なお、特殊兵装でも同様のカメラ操作ができる模様。カメラ操作と言えば、スタート時は三人称視点だが、ワンタッチ一人称HUD)視点と一人称(コックピット)視点にも切り換えられた。動く計器を観察できるコックピット視点や、戦闘機の雄姿を眺められる三人称視点も捨てがたいが、今回のプレイは個人的にいちばん操作しやすいHUD視点で進めることに。地上物は当然抵抗してくるが、上空への離脱と急降下を使い分けて難なくミッションを遂行できた。今後TGSなどで試遊する機会がある方でシリーズ初心者の方は、“ミサイルで攻撃してから上空へ逃げる”を意識するといいかも? ちょっと攻略記事っぽくなってしまったが、ミサイル、特殊兵装、そして機関砲など、ありったけの武器をぶっ放して敵基地を蹂躙するのは、やっぱり気持ちいい! 「俺の手にかかればこんなもんよ」と、鼻歌交じりにアタックをかけていると、敵の戦闘機も出現した。地上物と空中、両方からの攻撃でアラート(警告音)が鳴りやまない中、身近な敵機の背後に食らいつく。敵機の飛ぶ方向を確認したら、ミサイルを飛ばし、見事撃墜! クーッ、コレですよコレ。いかに敵機の背後を取るかを考えつつ、カッコよく撃破することこそ『エースコンバット』の醍醐味ですね。ザコを撃墜しただけなのに、ものすごくうまくプレイできた気になりました。調子に乗って2機、3機と撃破していったところで試遊は終了。製品版での子のミッションでは、何とかして敵全滅を狙いたい。



 続いてミッション7“First Contact”に挑戦。こちらの目的も敵レーダー施設および対空火砲の破壊と、ミッション6と同じく地上物撃破がメインとのこと。インシー渓谷という、若干複雑な地形を飛ぶことになるので機動性を重視したかったが、選択できる機体はどれも操作しやすそうだったので、先ほどは選ばなかった機体・タイフーンを選択。ミッションスタートすると、予想していた以上に巨大な岩(山?)が連なった渓谷が眼下に広がっていた。どうやら標的は谷底に配置されているようだが、上空からでは雲のため視認できない。思い切って低空飛行に挑んでみることにしたのだが、山が巨大な壁のように立ちふさがり、まるで迷路の中を飛んでいるような気分に。これは緊張する! 地形に衝突しないよう、慎重に谷底を進んでターゲットを撃破していくうちに、地上物だけでなく敵機とも遭遇。まずはこちらから撃墜しようと、ドッグファイトを仕掛けようとしたところ、突然目の前が真っ白になった。一瞬面くらったが、その原因はすぐにわかった。敵の戦闘機を追いかけるうちに雷雲の中に入っていたため、自機に雷が落ちたのだ。するとHUDがグニャグニャにゆらぎ、とても頼れる状態ではなくなった。敵機を示すコンテナ表示もなくなったが、視認できる距離まで接近していたため、見失ってはいない。レーダーは使えず、かつ雲の中で壁への激突を避けながら敵機を追うのは非常にスリリングだが、だからといってストレスは感じなかった。その理由は、「この状況で敵機を見失わない俺、カッコいい」と自己陶酔していたからかもしれない。ともあれ、一時的に歪んでいたレーダーは時間の経過で正常に戻り、見事敵機を撃墜できた。正直、このミッションを安全に攻略するなら標的の上空から急降下で攻撃するのがいいのかもしれないが、自分の中で「そんなんじゃダメ……君、本当は雷に打たれながら低空を駆け抜けたいんだろう?」と悪魔に囁かれているようで、どんどん危険な飛びかたをしたくなってくる。この悪魔的ミッション……早く製品版でガッツリ遊びたい!