3日連続で行なわれた真夏のアイドルの祭典「東京アイドルフェスティバル2018」
3日連続で行なわれた真夏のアイドルの祭典「東京アイドルフェスティバル2018

今年もこの季節がやってきた! 東京アイドルフェスティバル2018(以下、TIF)。東京・お台場で3日間行なわれた、真夏のアイドルの祭典だ。

8月3日(金)、4日(土)、5日(日)。この3日間で訪れた来場者は、8万1000人! 参加グループは207組、1315人のアイドルが今年も青春を爆発させた!

毎年恒例となった週プレNEWSのTIFレポ。今年も本日から4日連続で、激アツルポをお届けだ! まずは8月3日、1日目から!

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佐々木彩夏ももいろクローバーZ[SMILE GARDEN

佐々木彩夏(ももいろクローバーZ)
佐々木彩夏ももいろクローバーZ

昨年に引き続き、スマイルガーデンに"あーりん"がやってきた。今年のTIFも佐々木彩夏からはじまる!

ポップな『あーりんoverture』に乗って、ピンクのスパンコールワンピース姿で登場したあーりんは、スラッとした肩やデコルテを惜しみなく披露。コンディション、最高に良いじゃないか!

まず1曲目は『キューティーハニー』(ヒャダインアレンジバージョン)からスタート。可愛らしいあーりんボイスが朝のSMILE GARDENに響きわたる。ピンクのこぶしを上げて「あーりん! あーりん! あーりん!」とコールをするファンたち。

続いて、『ゴリラパンチ』を熱唱後、「暑~い。暑いから脱いじゃおうかしら」と、ロングスカートくるりと外し、ミニスカート姿に! ひきしまった太ももが眩しい。

「ギリギリまで曲を詰め込んだんで、ゆっくり話してる暇はないんですよ。みなさん、まだまだ『あーりん』って叫んでくれますかー?」とアオる。そこからは定番曲『あーりんは反抗期!』から『だって あーりんなんだもーん☆』でシメ。今年もTIFはあーりんの横綱相撲で幕を開けたのだった。

こぶしファクトリー[SMILE GARDEN

こぶしファクトリー
こぶしファクトリー

続いて登場したのは、ハロー!プロジェクトからの刺客、こぶしファクトリー。昨年、メンバー3人が去り、現在5人体制。マイクスタンドを持ってステージに現れた。

定番の"こぶし効かせまくり曲"『念には念』からスタート。夏の青空にこぶしの効いた5人の声が響きわたる。強いインパクト! ショートバージョンで客をぶん殴った後は『急がば回れ』『明日テンキになあれ』へ。「何回も失敗したって」「もう一回もう一回」「立ち上がればいい」と歌う。さまざまな苦難を越え、今、5人で立っている彼女たちだからこそ胸に響いてくる。

今年、さまざまなアイドルグループに大きな苦難が続いた。解散するグループも多い。そんなアイドル界にこぶしを突き立てているようだった。勇気を、もらった。

そして、『サンバ!こぶしジャネイロ』から『シャララ!やれるはずさ』でそのステージを終えた。彼女たちの「タイムリミットがくるまえに~」という歌詞で、毎年グッときてしまう。そう、タイムリミットがくるまえに、アイドルとともにこぶしを突き立てよう。そう思わせてくれるステージだった。

monogatari[SMILE GARDEN

monogatari
monogatari

今年の1月1日より、「原宿物語」から改名し、「monogatari」となった彼女たちは、平均年齢15歳という、エネルギッシュな12人グループ。長い手足、ルックスの高いメンバーばかり。今年、注目の美少女軍団である。

リードボーカルの香山あむが「モノガ行くぞ~!!」と叫ぶ。それに呼応するスマイルガーデン。1曲目の『PARTY ANIMALS』で、ジャンプ&手を回しながらキレキレに踊る。「まだまだ盛り上がるぞ~!」とアオり続ける。その勢いとスピードといったら! 彼女たちは、若さと野望と情熱の塊だ。まったく止まることがない。

『WE are ONE』に続くのは、BiSHをはじめ、多くのグループが所属する事務所WACKチーム制作の新曲『もう一回君に好きと言えない』を披露。WACKサウンドがグッとくる! そして最後は彼女たちのテーマ曲ともいえる『MONOGATARI』へ。笑顔が上下する。短いスカートがお腹のあたりまでめくり上がる。青いワンピースが汗染みで黒くなる。それでも笑顔は青空のように一瞬も曇らない。若さというパワーをすべて差し出した圧巻のライブだった。

「私たち、平均年齢15歳です! monogatariです!」

彼女たちの爪痕は、しっかりとスマイルガーデンに刻まれていた。

つばきファクトリー[HOT STAGE]

つばきファクトリー
つばきファクトリー

昨年は「第50回日本有線大賞」新人賞、「第59回日本レコード大賞」最優秀新人賞を受賞するなど、注目度がぐんぐん上がっているつばきファクトリー。そんな彼女たちが最初に披露したのは『春恋歌』。満員のホットステージで、真夏なのにやわらかな風を感じるような選曲。凛とした世界観で、つばきファクトリーらしいカワイらしさが会場を満たす。

続く『気高く咲き誇れ!』は一転、アップテンポなダンスチューン。ラップパートでは力強さが溢れる! MCを挟んだあとは、新曲『デートの日は二度くらいシャワーして出かけたい』をしっとりと歌い上げ、ライブの定番曲『笑って』に突入。元気いっぱいのパフォーマンスにファンは盛り上がり、カラフルサイリウムの海が一面に広がる。

そして畳みかけるようにポップなイントロが流れだし、往年のアイドル・森高千里の『私がオバさんになっても』へ続く。事務所の先輩アイドルの楽曲を夏らしくフレッシュにカバーし、最後は『今夜だけ浮かれたかった』。会場の熱気は最高潮に達した!

今回3度目のTIF出場となったつばきファクトリー。その花はたくましく、来年もまたお台場の地で咲き誇ることだろう。

アイドルカレッジ[DREAM STAGE]

アイドルカレッジ
アイドルカレッジ

今年から一気に大きくなったフジテレビ前、ドリームステージのオープニングアクトアイドルカレッジから23人のメンバーが登場。

1曲目は『NGワード~キミガスキ~』。メンバーがファンを指差して、お互いに交流。2曲目は7月に発売されたばかりの9thシングル『AKATSUKI』。ファンの振りコピが見事!

そしてポップチューンの『Wonderful STORY』で会場のファンは一気にヒートアップ。ラストは初期の名曲『いちごパフェ』。アイカレは結成9周年ということで、9月より9大都市ツアーがスタートする。アイカレの夏はまだまだ続きそうだ。

■会心ノ一撃[FESTIVAL STAGE]

会心ノ一撃
会心ノ一撃

今年、あらたに立ち上がった企画。『アザーレコメンドライブ』。これは、アイドル業界に造詣の深い7人の「アザーレコメンダー」たちが、「このグループを出したい!」とあげた10グループによるTIF出場権争奪バトル。このバトルの上位3グループに入ったのが会心ノ一撃だ。「タイガ~、ファイヤ~、サイバ~、ダイバ~♪」と、ゆるやかなMIXのovertureに乗って、4人が登場。

まずは、『water song』からスタート。念願のTIF。メンバー、緋乃 愛(あかの・いと)が力強く声を響かせる。そのまま『stargazer』へ。無重力な宇宙の中で、強く歌い踊る世界観が印象的な楽曲だ。そして最後は『jelly fish』。右手を上げて空を舞うメンバーとファン。その手を翼のように空を羽ばたかせる。浮遊感と強い意志をアピールするセットリストで挑んできた彼女たち。

落ちサビでゆっくりと羽根を羽ばたかせる。彼女たちのシンボルである「会心ノ一撃」と書かれた大きな旗がTIFの空に何度も舞う。心地よくもグっと来る時間だった。

=LOVE[HOT STAGE]

=LOVE
=LOVE

チェアマン・指原莉乃がプロデュースする=LOVEイコールラブ)。昨年のホットステージでお披露目されてから丸1年、シングル3枚のリリースに舞台への出演など、活動の幅を大きく広げてきた彼女たち。TIF前日にはメンバーの佐々木舞香が活動休止を発表しており、今回は11人でのパフォーマンスとなった。

センター・髙松 瞳の「イコラブ、いくぞー!」の掛け声とともに、ライブは中毒性バツグンの定番曲『ようこそ!イコラブ沼』からスタート! 「ここが噂の天国だ」「世界の中心ここかもしれない」などの歌詞のとおり、ファンの気持ちをぎゅっと引きつける。そして、夏らしい青春ソング『「部活中に目が合うなって思ってたんだ」』と、マフラーに見立てたタオルを首に巻いて踊る『僕らの制服クリスマス』へ。まさか真夏にクリスマスソングでアガることになるとは......!

MCを挟んだあとは、『届いてLOVE YOU』(センター・斎藤なぎさ)や『樹愛羅、助けに来たぞ』(センター・齋藤樹愛羅/きあら)、野口伊織の鬼気迫る表情が印象的な『手遅れcaution』という楽曲を、センターを入れ替えながら立て続けに披露。それぞれのメンバーの見せ場をしっかりと作る、指原プロデューサーの手腕が光る。ラストは昨年同様、デビュー曲『=LOVE』で、ステージを締めくくった。

30分に詰め込まれた6曲を通して、今年も会場全体を"沼"化させたイコラブ。ファンに愛され、ファンを愛する彼女たちの、この1年の成長がとても眩しかった!

i☆Ris[HOT STAGE]

i☆Ris
i☆Ris

声優としても活躍中の6人組・i☆Risオルゴール風のSEが鳴るなか、久保田未夢が「あれ~? ここ、どこだろ~?」と言いながらほかのメンバーを引き連れてステージに登場し、ファンタジックな世界観を連想させる楽曲『幻想曲WONDERLAND』からライブがスタート! ふたりずつ手を取り合い、社交ダンスのように踊るユニークな振付を見せた。

続く『Happy New World☆』は、アニメ『バトルスピリッツ ディーバブースター~女神達の調べ~』のテーマソング。大サビでは、「君に夢のメロディ 君に鳴り響くよ」という歌詞を「TIFにi☆Risのメロディ HOT STAGEに鳴り響くよ」とアレンジ! TIF用のスペシャルバージョンで、ホットステージ満員のファンを沸かせる。

その後は『Make it!』や『§Rainbow』など、i☆Risがここ数年披露してこなかった"懐かしタイアップ曲"が続く。MCで山北早紀が話していた「アイドルファンも盛り上がれそうなセトリ」という言葉のとおり、ファンは後半に進むにつれてコールやジャンプを大きくしていく。ラスト5曲目の『ドリームパレード』で、メンバーが息ぴったりのラインダンスを見せれば、観客席では6色のサイリウムが波を生む! アイドルファンもアニメファンも満足できる、彼女たちらしいステージだった。

DDTプロレス&アイドル選抜コラボ[SMILE GARDEN

DDTプロレス&アイドル選抜コラボ
DDTプロレス&アイドル選抜コラボ

日本最強のインディーズプロレス団体「DDTプロレス」が、TIFに殴り込みをかけてきた! 何を言っているかわからないと思うが、事実だから仕方がない。

DDTプロレスは、リングのない野外で戦う「路上プロレス」を定期的に行なっている。そんな彼らと、TIFの野外ステージであるスマイルガーデンがビッタリとハマったのだ!

ステージに現れたアイドルたち。転校少女*の塩川莉世、ラストアイドルグループから長月翠、神使轟く、激情の如く。の生牡蠣いもこ、ハコイリ♡ムスメの我妻桃実といった4人に、突如現れたプロレスラーたちが戦いを申し込む。そこから、高木三四郎・山下実優・伊藤麻希チームVS大石真翔MAO・勝俣駿馬チームVS男色ディーノ&アイドル4人チームの3WAY試合が、ほぼなんの説明もなく始まったのだ。

一体、何が起こったというのだろう? まぁ、プロレスが始まるのに、大きな理由はない。それがプロレスというものだ。

スマイルガーデンの全体を使って、プロレスラーとアイドルが戦いまくる。とはいえアイドルたちは可愛くピコピコハンマーでレスラーを叩くくらいのもの。かわいいものだ。しかし、元LinQの伊藤麻希だけは、レスラーとして参加し、ヘッドロックやら逆水平やらをバッチンバッチンやられている。

さらに、もうひとりアイドルとは思えない動きを見せたのは、ハコイリ♡ムスメの我妻桃実だ。アイドル対抗アームレスリング大会で、昨年準優勝した彼女は、おしとやかなワンピースを脱ぎ捨てると、ブルーのアマレスのユニフォームに早変わり。「ここはプロレスの会場じゃねぇんだ!アイドルの現場だ!」と、伊藤麻希に逆エビ固めを見舞っていく。カオス。カオスだ。

脚立からのムーンサルトプレスが飛び出したり、男色ディーノがパンツを脱いだり、それはもう大騒ぎ。15分の死闘の結果、勝ったのは男色ディーノ&アイドル4人チーム。緑の芝生、真っ青な空に響きわたる怒号&歓声。この夏一番のハッピーな空間だった。

AKB48 TIF選抜[HOT STAGE]

AKB48 TIF選抜
AKB48 TIF選抜

今年のTIFはついに国内の48全グループが参加。そんななかで本家AKB48も「TIF選抜」という現役最強軍団が登場した。選ばれたのは総監督・横山由依を筆頭に、1期生・峯岸みなみ大家志津香といったベテラン。中堅どころとして佐々木優佳里や茂木忍、15期生の向井地美音、込山榛香、福岡聖菜、パフォーマンスに定評のある岡田奈々、村山彩希ら。

そんな彼女たちのセットリストを考えたのが、自身もハロプロ好きとしてファン心理も知り尽くした"アイドル神"柏木由紀。オープニングは向井地センターによる『言い訳Maybe』、総選挙シングル『#好きなんだ』では横山センター。定番をおさえつつ、マジメな次世代メンバー福岡がセンターに立つ『オネストマン』でファンに「好きだ!」と叫ばせ。

続いて新チームKキャプテン込山榛香センターによる"チームKの魂の曲"『転がる石になれ』。ファンは拳を突き上げてそれに応えた。

フィニッシュはこれぞ夏ソングの『ポニーテールシュシュ』。AKBをずっと追い続けるファンから、久々に帰ってきたファン、うっすらとしか知らないファンまで、すべてを満足させる曲のチョイスはさすが柏木由紀といったところ。最近はAKB48単独のライブが見られることはほとんどない。メンバーはそろっているし、実力は今さら言うまでもない。今後もこういった機会をどんどん作って欲しい。

アップアップガールズ(仮)[SKY STAGE]

アップアップガールズ(仮)
アップアップガールズ(仮)

昨年9月に仙石みなみ佐藤綾乃がグループを離れ、5人体制となったアップアップガールズ(仮)。そんなアプガが今年も夏のスカイステージに帰ってきた!

古川小夏の「楽しんでいくよー!」の掛け声を皮切りに、まずは"ザ・夏曲"の『サマービーム』。昨年より髪が伸びて大人っぽくなった新井愛瞳まなみ)の横顔に視線が釘付けになる。まるで、久しぶりに会った姪っ子が"女のコ"から"女性"へと変化しているかのよう。

実はアプガの出番直前まで雨がパラついていたスカイステージ。ここで、「この状況を予想していたのか?」と思ってしまうほどシチュエーションにガッチリハマった『夕立ち!スルー・ザ・レインボー』が続く。3曲目に歌った『End Of The Season』も、日没前の少しオレンジがかった日光と心地よい風が相まって、見る者を切なくさせる。

メンバー編成が変わっても、さすがはTIF出場7回目のアプガ。状況を活かして戦った彼女たちを見て、「夏が似合うアイドルといえば、やっぱりアプガだな」と、あらためて感じた15分間だった。

■吉川 友[SKY STAGE]

吉川 友
吉川 友

続いてスカイステージに登場したのは吉川 友(きっかわ・ゆう)。モノトーンの新衣装はパンツスタイルでありながらも透け感があり、大人っぽさバツグンだ。

ライブは『NEO SUGAR SUGAR YOU』からスタート。彼女の伸びやかな声が空に溶けるようで、スカイステージにはぴったりの選曲だ。その後のMCでは「朝からここにいる人? そうだ、スタッフのみなさんお疲れ様です」と、スタッフをしっかりねぎらい、ファンの水分補給を心配する"オトナきっか"な一面を見せる。

さらに、ペットボトルの水を片手に「こうして皆さんとお酒を交わせる日が来てうれしく思います」と"オトナ風"に乾杯の音頭をとった(持っていたのはあくまで水だ)。

続いて夏曲『八月の花火』『水色』を披露。ていねいに歌い上げる歌手としての実力だけでなく、ファンひとりひとりと目を合わせるアイドルらしさ。その両面を見せつけた。

ちなみに、『水色』はタオルを回す曲なのだが、スカイステージを舞うタオルの色はさまざまで、自身のファン以外からも愛されていることがうかがえる。カラフルなタオルの海の真ん中で、今年も"きっか"はキラキラと輝いていた。

アップアップガールズ(2)[FUJIYOKO STAGE]

アップアップガールズ(2)
アップアップガールズ(2)

7月7日に行なわれた「アプガフェス」から正式加入した中川千尋、佐々木ほのかを迎えて、7人体制となったアプガ(2)。アイドル界イチの「アスリート系アイドル」であるアップアップガールズ(仮)の妹分ではあるが、2期は意外にも"すんごくかわいらしい楽曲"が多いという王道系アイドルだ。

まずは『ハッピースLOVE♥』からスタート。素早い動きなのにプリティ! 激しい動きなのにキュート! それにしても5人体制のときよりも、7人のほうがセンターの吉川茉優のセンター感がすごい。170cmという長身な彼女のカリスマっぷりが引き立つ。

『全部青春!』で青春感をアオったあとは、キラーソング『二の足Dancing』へ。......これが、まさに圧巻! フジヨコステージが一気に燃え上がる。歌うことが楽しくて仕方ないという表情の新メンバーふたり。「すごいでしょ! 私たち!」とウキウキ顔の橋村理子(りこ)。

そして2番のサビ前。鍛治島 彩(かじしま・あや)の鼻リコーダー! デビュー当時は、「なんだあれ!(笑)」とインパクト先行だった彼女の特技も、今は技術も上がり、メチャクチャカッコイイ! 吹ききった瞬間には何故か謎の感動が胸を包み込む! すごい! こんなんで感動してしまうなんて!

いつの間にか、激しくてカワイイ実力派に育っていたアプガ(2)。夏を乗り越えた後、さらに成長していることだろう。

わーすた[SMILE GARDEN

わーすた
わーすた

真夏の夕涼みの中、白を貴重とした爽やかな衣装でパフォーマンスを行なったのはわーすた。代表曲『うるとらみらくるくるふぁいなるアルティメットチョコびーむ』でファンを早速飛び跳ねさせたあと、続く2曲目は今夏の新曲『タピオカミルクティー』。「彼女とのデートでタピオカミルクティーが好きになった」。そんな男子とのエピソードを女子目線で歌う、切なく甘酸っぱいポップチューンだ。

終盤にはプラカップを取り出し、「ごくごくごくごく♪」とタピオカミルクティーを飲み歩く。わーすたらしい、コミカルカワイイパフォーマンスだ。メンバーイチおいしそうな顔を見せる松田美里(みり)を見て、「どうして女子はあんなにまでタピオカが好きなのか?」という男子永遠の疑問(?)が頭に浮かぶ。わからなくていいのだ。女子は男子と違う、キラキラカワイイ生き物なのだから。

その後も『スイカ割り』『最上級ぱらどっくす』といった"夏フェス映え"する高速テンポな楽曲を披露し、スマイルガーデンでのステージングを締めくくる。今年はGEMやCheeky Paradeという「レーベルの先輩グループ」の解散が続いてしまったが、彼女たちは"KAWAII"で輝き続けていくはずだ。

STU48[HOT STAGE]

STU48
STU48

今年で2回目の参加となるSTU48。この1年はメジャーデビューを果たし、瀬戸内エリアのライブハウス定期的に公演を行うなど、その実力を積み重ねてきた。キャプテンの岡田奈々は「今年もこのステージに立つことができて本当にうれしいです」と喜びを語る。1曲目『STU参上!』で一気に会場をヒートアップさせ、ファンの間では神曲と呼ばれる『暗闇』。さらに『思い出せてよかった』とたたみかける。

MCでは現在、製作中の定期公演を行う船の名前が「STU48号」に決まったことがあらためて告知された。そして今年のAKB選抜総選挙でランクインした注目株の石田千穂の「私たちと一緒に出航してくれますか!」のかけ声とともに後半戦へ。

もともとAKBの曲ではあるが、すっかりSTUの定番曲になっている『NEW SHIP』、そしてSTUオリジナルの『ペダルと車輪と来た道と』、さらにテレビCMソングとして作れられた『夢力』。そしてラストはセンターの瀧野由美子が「東京に瀬戸内の風を届けられるように」と紹介し、全員で『瀬戸内の声』をしっとりと歌い上げた。

この先、年内にセカンドシングル、そして待望の船上劇場オープンとSTU48の風は止まりそうにない。

■AIS-All Idol Songs-[SKY STAGE]

AIS-All Idol Songs-
AIS-All Idol Songs-

夕暮れ迫るスカイステージに登場したのは、「アイドルファンの記憶に残り、語り継がれるアイドルソングを未来に歌い継ぐ」というコンセプトのAIS。今年の2月に解散したアイドルネッサンスに続き、2016年にSMAより結成されたグループだ。

1曲目はAeLL.の『Endless Summer』からスタート。懐かしい! 美しく輝いていた思い出がよみがえる。AeLL.はTIFで何度も『Endless Summer』を歌ってくれていたっけ。あの時の彼女たちと同じようにタオルを振る。

続いては、アイドリング!!!の『サマーライオン』だ。TIFといえばアイドリング!!!。真っ白な衣装が暗くなっていくスカイステージでピカピカと輝いている。メンバーみんな、ビジュアルは地味だが、そんなピュアで真っ白な彼女たちだからこそ様々なアイドルを憑依させることができるのだろう。あのアイドルネッサンスがそうだったように。

そして最後は『夏の決心』。これは、アイルネがカバーしていた大江千里の最強の夏ソング!「あぁ、彼女たちは、アイルネの分まで背負って、先に進もうと決めたんだ」そんな彼女たちの大きな決心を感じた。

■原田珠々華[SKY STAGE]

原田珠々華
原田珠々華

AISの次に登場したのは、元アイドルネッサンスのメンバーであり、このTIFがソロとしての初ステージとなる原田珠々華(すずか)だ。今回TIFに持って来た5曲は、すべて彼女の作詞作曲となる。

オレンジ色が失せた空は、ブルーから濃い蒼へのグラデーション。そこに制服姿の原田珠々華が現れた。まずは『Hero』からスタート。オケに合わせてギターを鳴らし、爽やかな歌声を響かせる。続いて『今年の夏休みは君とデートに行きたい』へ。胸キュンキュンの少女の恋愛ソングだ。

しかし1番を歌い終わるあたりで機材トラブルが。オケが乱れ歌いにくそうにしながらも続けようとする彼女に観客が手拍子で支える。しかし、2番のサビあたりで再び曲が乱れる。ここで無情にも曲がストップ

「ごめんなさい! 機材トラブルです。もう一度チェックして2曲目、もう一度やります」

スタッフからのマイクを受け、「みなさん、こんなにたくさんの方に来ていただいて本当に本当にうれしいです」「手拍子も本当に感動しました。ありがとうございます」と目に涙を浮かべて挨拶。「珠々華~! がんばって~!」と、ステージ裏から同じ事務所のAISのメンバーが声をかける。その声に観客も「おーー!」と歓声を上げる。「AISもアイドルネッサンスもそうなんですけど、泣かすのがうまいです。......泣いちゃうよって」。そう言いながら、目頭を押さえる。

その後、トラブルはなかなか復旧せず、先に3曲目に歌うはずだった『Fifteen』を弾き語りで歌う。スカイステージに響くアコースティックギター。「まだまだここは通過点」と歌う彼女の強い声が空へ進んでいく。そして圧巻の落ちサビ。そしてその瞬間。空には、まるで彼女の新しいスタートを高々と知らせるように稲光が輝いた! 何だ今のは?

続いて、もう一度二曲目の『今年の夏休みは君とデートに行きたい』をかけるが、やはりトラブル。上手くいかない。結局、予定にはなかった『あなたへ』を弾き語りで披露した。

最後にスタッフから「これに懲りずに、来年も必ずスカイステージに来てください!」とマイク。「スカイステージ、呼んで下さい!」と嬉しそうに叫ぶ彼女。このスカイステージに居合わせた人間は、間違いなく全員、原田珠々華という少女を心から応援し、好きになった。

そして「とんでもないものを見た」と思ったことだろう。ここにいた者は、この日の思い出だけで、一生彼女を推せるのではないか? そう思わせてくれるステージだった。

■ヤなことそっとミュート[SKY STAGE]

ヤなことそっとミュート
ヤなことそっとミュート

callme、フィロソフィーのダンスなど、楽曲面でも注目されるグループの出番が続く、夜のスカイステージ。その2組に続いて登場した"ヤナミュー"こと、ヤなことそっとミュートも、ロックサウンドと切ないメロディが特徴的な4人組だ。

メンバーが姿を現すやいなや、『sputnik note』の疾走感あふれるギター&ドラムが鳴り響き、直前まで漂っていたアーバンな雰囲気を一瞬のうちに粉砕。曲中、主旋律を歌うメンバー・なでしこが「行こうと思えば どこへでも゛行けええぇぇる!!」とコブシを効かせれば、メンバーはそれを合図に激しく踊りだし、前方を何度も指差す。歪んだギターに乗るまっすぐな歌声を聴いていると、「今なら空を飛べるんじゃないか?」なんてことも想像してしまう。

続くミディアムナンバー『ホロスコープ』では、身長169cm、長い手足の間宮まにが片手を高々と夜空に掲げれば、ファンも跡を追うように手を挙げる。夜風に煽られ揺れるマント風衣装や、彼女たち自身の色白さも相まって、彼女たちが遠くの誰かを祈る"儀式"を見ているような......とにかく不思議な気分になる。

たたみかけるように歌った『ツキノメ』『Afterglow』も、"夜渡り鳥の夢想""月"などのフレーズが夜景にマッチする。夜の屋上で彼女たちが歌った祈りは、少なくとも目の前の観客には確実に届いていた。

■夢みるアドレセンス[HOT STAGE]

夢みるアドレセンス
夢みるアドレセンス

昨年末に行なわれた「ファンが選ぶ」オーディションで選ばれた3人が加入し、7人体制となった夢見るアドレセンス。グリーンのワンピースにレッドのワンポイントが入った衣装でステージに登場。

MCでは週刊プレイボーイで表紙経験もある志田友美が「TIFに来たら、みんなの熱量の匂いがしました」と話すと一瞬、会場がざわつく。即座に「いい匂いだったよ」とフォロー。

しばらくするとメロンのかぶりものをした最年少メンバー・山下彩耶(さや)がステージに登場。そのままセンターを務める『メロンソーダ』を披露した。かっこいい夢アドが新メンバーの加入でどんな化学変化を起こしていくのかが楽しみだ。

■けやき坂46[HOT STAGE]

けやき坂46
けやき坂46

ホットステージの初日のトリを務めたのは"ひらがなけやき"こと、けやき坂46。昨年は欅坂46に引き連れられる形でのTIFだったが、今年はついに単独での出演だ! 『overture』が流れる超満員の会場からは、メンバーがまだ出てきていないにも関わらず、歓声が響く。

まずは『ひらがなで恋したい』からスタート。秋色の衣装はアシンメトリーな作りで、メンバー同士が向かい合うとまるで別の衣装を着ているかのよう。一列に並んだり、ペアを組んだりするフォーメーションが多いけやき坂を魅せるにはぴったり!

続いて1期生11人が『おいで夏の境界線』、2期生9人が『半分の記憶』をそれぞれパフォーマンス。まだデビューから1年経っていない2期生だが、武道館ライブ、東名阪ツアーなどを通して多くのステージを踏んできただけあって、想像以上の安定感を見せる。特にセンター・小坂菜緒の切なげな表情にはグッと惹きつけられた。

その後、20人全員でアルバムリード曲の『期待していない自分』を披露。続く『誰よりも高く飛べ!』では、キャプテン・佐々木久美の「TIF、ラストいくぞー!」の掛け声によって、ファンが会場を大きく揺らす。

最後は『NO WAR in the future』。メンバーの笑顔がキラキラと弾け、会場にはハッピーオーラが満ち溢れていた。"欅坂"とはまた違った路線で突き進む"けやき坂"。彼女たちが生み出す多幸感は、もしかしたら世界を救うのでは? そう思わせるパフォーマンスだった。

◆中編⇒世界最大のアイドルフェス「東京アイドルフェスティバル2018」レポ! 今年もアイドル界に美少女の雨が降るぞ!

取材・文/TIF大好き取材班 撮影/武田敏将 関根弘康 アオキユウ

3日連続で行われた真夏のアイドルの祭典「東京アイドルフェスティバル2018」