人類の夢、不老長寿がいよいよ現実のものとなるかもしれない。米ハーバード大学の研究で大きなブレークスルーがあったと話題になっている。英「Daily Mail」が今月1日付で報じている。

 アンチエイジングで寿命を150歳まで延ばすという薬を開発中なのは、若返り成分「NMN」の開発でも有名な(トカナの記事はこちら)米ハーバード大学医学大学院の生物学者デイヴィッドシンクレア氏の研究チームである。シンクレア氏によると、この技術を使えば傷ついた臓器を再生させるのみならず、麻痺状態になってしまっている人々を再び起き上がらせることも可能になるという。驚くべきことに、この錠剤一日分の価格は、コーヒー1杯分くらいの値段になるというのである! 「NMN」が100mgで1千万円だったことを考えると驚愕の安さだ。

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 一体なぜこのようなことが可能になるのか? その秘密は我々が生まれ持っている細胞の修復機能にある。生きている生物の細胞は日々様々な要因によって傷ついており、それを修復するための機能が働いている。だが、この修復機能は老化によって衰える。シンクレア氏らは修復機能にNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)が重要な役割を担っていることを発見、この物質の前駆体(NMNもその一つに当たる)を投与することで老化した細胞が若返ることを証明したのである。さらにマウスを使った実験では、寿命が10%延びることも確認されたという。

 現在のところはマウス実験段階であるが、シンクレア氏は2020年までに人間での治験を行いたいと考えているようだ。ちなみに、NADは生物にとってありふれた物質であり、パーキンソン病の治療や時差ぼけ防止のためにすでに用いられているという。

 シンクレア氏は自らが開発した薬の安全性にかなりの自信を持っているようで、すでに自分の体でも試しており「生物学的年齢が24歳下がった」と話す。シンクレア氏は49歳なので25歳に戻ったということになる! また自身の家族にも治療を受けさせたといい、79歳の父親は一年前に治療を始めてからラフティングや旅行を楽しむようになり、40歳代の義姉は一度閉経したにも関わらず治療によって月経が再開したそうだ。

 年老いた体が若返るだけでなく、損傷した臓器や麻痺した身体の治療にも有効、しかも安全性は高く、価格はコーヒー代程度……まさに夢の薬である。とはいえ、その効果への過大な期待に対してはシンクレア氏も釘を刺しており、きちんとした科学的な証明と安全性の確認がなされてから治療を行うべきだと警告している。

 2020年から始まるという治験がうまくいけば、その5年以内には一般に販売したいとのことなので、魔法の薬は案外早く我々の手元に届くかもしれない。その日が一日も早く来ることを祈りたい。
(編集部)

イメージ画像は、「Thinkstock」より

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