Playmajiはレトロゲーム互換機Polymegaの予約受付を現地時間9月5日から公式ストアにて開始する。正式リリース日は2019年4月1日を予定しており、公式FAQによれば米国外への発送にも対応するという。
 また、予約開始に合わせて同機を紹介するローンチトレイラーも公開されている。

 「Polymega」はCDドライブを搭載したベースユニットと、ロムカセットを挿入するため数種類存在するエレメントモジュールの2つで構成されている。CD-ROM形式の作品をプレイする場合はベースユニットでプレイし、さらにカセット形式のゲームを遊びたい場合にはそれぞれ対応した追加モジュールを接続してプレイするというデザインだ。
 さらに「Polymega」にはロムカセットからゲームをインストールする機能もある。一度エレメントモジュール経由で保存したゲームデータは、カセット無しでベースユニットから起動することが可能。本体には16GBのeMMCフラッシュメモリが搭載されているが、500GBまでのSDカードにも対応しているという。

 なおこれまでに8種類のゲーム機への対応が発表されていた「Polymega」が、今回のトレイラーでさらにもうひとつセガサターンが対応することが正式に発表され、発売時点では以下の9種類のゲーム機に対応することが明らかにされた。

ベースユニット
プレイステーション
PCエンジン CD-ROM2
メガCD
ネオジオCD
セガサターン

エレメントモジュール
・NES
(国外版のみ)
スーパーファミコン
SNES
メガドライブ
GENESIS
PCエンジン
(HuCARDPCエンジンスーパーグラフィックス、TurboGrafx-16)

 これまで発売された『RetroN 5』や『レトロフリーク』といった複数のレトロゲームが動く互換機との最大の違いは、やはりCDのゲームが動くことだ。ただ動作するだけでなく、読み込みが遅いことで有名だったネオジオCDは最大で80%ほどロード時間が短縮されるという。
 傷ついたディスクであってもエラーの修復機能があるが、修復不可能な場合はエラーを表示し、破損したデータがそのままインストールされることはない。

 なおエミュレーション自体は「ハイブリットエミュレーション」と呼ばれる独自の方式で動作している。この方式により従来のエミュレーションに比べ、スーパーファミコンのスーパーFXチップのような特別なチップを持ったハードウェアであっても高い精度でエミュレーションできるという。

(画像はPolymega公式サイトより)

 前例のないCD-ROMにも対応するレトロゲーム互換機だけに、気になるのはエミュレータBIOSの法的権利の問題だが、世界トップレベルの法務チームが監視を行っており、検査をクリアしているとPlaymajiは伝えているエミュレータは社内製で、BIOSも法的に保護されたものは利用していないそうだ。

 公式FAQでは、トリプルA級タイトルを手がけるInsomniac Gamesや、移植開発で有名なBluepoint Gamesで以前働いていた開発者たちが、「Polymega」チームに参加しているとも記されている。

(画像はPolymega公式サイトより)

 Playmajiはレトロゲーム機の定義を「コントローラーにスティックが2本未満」としている。将来的にはNINTENDO64ドリームキャストへの対応もしたいという。このように、今後のアップデートやさらなる拡張も視野に入れている点が、Playmajiのもうひとつの特徴でもある。
 たとえば今後のアップデートでは、1080pへとアップスケーリングされたスクリーンショットと動画の撮影機能が追加され、TwitterやFacebookあるいはTwitchといったSNS向けのサービスも備わる予定であることが明らかにされている。
 このほかにも、将来的な構想としては「クラシックゲームのサブスクリプションサービス」や、ファンの翻訳&改造データをパブリッシャーに認めてもらい合法的にIPSパッチで適応するといった大きなアイディアも示されている。

 『Polymega』の価格はベースユニットが249.99ドル、最初に発売される4種類のエレメントモジュールは59.99ドルの予定。
 今後発売されるエレメントモジュールの中には、ハードウェアの複雑さによって値上がりするものもある可能性がある。公式サイトでは、複数のモジュールを組み合わせバンドルなども発売予定とされている。

文/古嶋 誉幸

『Polymega』公式サイトはこちら
ライター
一日を変え、一生を変える一本を!学生時代Half-Lifeに人生の屋台骨を折られてから幾星霜、一本のゲームにその後の人生を変えられました。FPSを中心にゲーム三昧の人生を送っています。