ロシアW杯出場組と堂安ら新世代をどのように融合させるか

 森保一監督率いる新生日本代表は、11日の国際親善試合コスタリカ戦で3-0と初陣を勝利で飾った。10番を背負って攻撃の起点となったMF中島翔哉ポルティモネンセ)、代表初ゴールを挙げたMF南野拓実(ザルツブルク)、A代表デビューを飾ったMF堂安律(フローニンゲン)のトリオが織りなすハーモニーは、新時代の到来を予感させるものだったが、一方で今回はロシアワールドカップ(W杯)で主力を務めた欧州組が招集されていなかった現実もある。キャプテンを務めたMF青山敏弘サンフレッチェ広島)は、「非常に大きな一歩になった」と切り出しながら、森保ジャパンが今後歩んでいくであろう道について展望している。

「大事なのは新しい選手たちがどう日本代表に関わっていくか。もちろん、ロシアでの成功を経験した選手たちの力も必要。新しい力も出てくるのを待っている。彼ら(新しい選手)も日本代表で活躍したいと思っている。ヨーロッパ組が来た時にどうなるのか」

 守備陣のリーダー役を担い、後半途中からはキャプテンマークを巻いたDF槙野智章(浦和レッズ)も、ロシアW杯出場組と若手、それぞれの胸中を代弁するかのように9月の代表活動を振り返る。

「若い選手たちも間違いなく、4年後のカタールW杯を意識してやっていると思います。ロシアに出たメンバーを蹴落とすくらいの気持ちでこの合宿に乗り込んできたし、実際に出た選手は簡単に席を渡せないという気持ちでやっています。良い意味でチーム内に競争意識が芽生えているのは、この何日間でも練習の中から見られたのですごく良かった」


最終ラインロシアW杯のレギュラーが今後も競争の軸

 初陣のコスタリカ戦では、7日に行われた11対11の紅白戦から継続的にテストしていた4-4-2でスタート。そして、中島を下げてMF天野純(横浜F・マリノス)を投入した後半30分以降はトップ下を置く4-2-3-1にシフトした。

 では、欧州組が戻ってきた場合、各ポジションの争いはどうなるのか。ロシアW杯出場メンバー(代表引退のMF長谷部誠とDF酒井高徳、引退示唆のMF本田圭佑は除く)を、今回のメインシステムとなった4-4-2システムに振り分けてみた(布陣図参照)。

 西野朗前監督は4バック主体だったため、最終ラインイメージがしやすいだろう。CBにはW杯全4試合にフル出場したDF吉田麻也サウサンプトン)とDF昌子源鹿島アントラーズ)のコンビが、そのまま当てはまる。吉田が30歳、昌子が25歳という年齢を考えても、この二人が軸となっていくのは間違いない。

 SBも右にDF酒井宏樹マルセイユ)、左にDF長友佑都ガラタサライ)がレギュラー最右翼だ。酒井高が大会後に27歳で代表引退を表明しているため、バックアップ枠は今回先発で起用された室屋らにも割って入るチャンスがありそうだ。

 GKはW杯に3大会連続で出場したGK川島永嗣(ストラスブール)が4年後のカタール大会では39歳。世代交代を迫られているポジションの一つであり、コスタリカ戦でゴールを守った東口とリオデジャネイロ五輪世代のGK中村航輔(柏レイソル)が序列をリードしていくだろう。


トップ下なき4-4-2で香川のポジションは?

 ボランチは長年キャプテンを務めた長谷部が代表引退。ロシアW杯で目覚ましい活躍を見せたMF柴崎岳(ヘタフェ)が中心になっていくと思われる。その相棒役を、負傷で9月シリーズを辞退したMF山口蛍セレッソ大阪)とMF大島僚太(川崎フロンターレ)、コスタリカ戦で先発フル出場するとともに1アシストを記録したDF遠藤航(シント=トロイデン)が争っていく構図か。

 4-4-2を採用するうえで直面する問題は、MF香川真司ドルトムント)をどこに配置するかだ。2014年ブラジルW杯では4-2-3-1の左サイドハーフプレーしているが、抜群のテクニックを生かしたゲームメイク力は本職のトップ下でこそ威力を発揮する。ロシアW杯で攻撃の軸を担ったMF乾貴士(ベティス)、攻守のハードワークを身上とするMF原口元気ハノーファー)、ドリブルで局面を打開できるMF宇佐美貴史デュッセルドルフ)がいるなかでは、最も4-4-2採用の“余波”を受ける選手かもしれない。

 2トップはFW大迫勇也ブレーメン)、FW武藤嘉紀ニューカッスル)、FW岡崎慎司レスター)の3人だ。足首の負傷でロシアW杯では不完全燃焼に終わった32歳の岡崎は、「諦めない姿勢を見せ続けたい」とカタール大会への思いを口にしているが、4年後は36歳。コスタリカ戦で2トップの一角として出場し、「(サイドハーフよりも)真ん中でやっていた時のほうが良かった」と手応えを語ったMF南野拓実(ザルツブルク)や、FW浅野拓磨ハノーファー)にも十分チャンスはあるだろう。

 森保監督は今回のメンバーを発表する際、「招集した選手をコアなチームだとは思っていない」と来年1月に始まるアジアカップに向けて新戦力を発掘すべく、若い選手、新しい選手を試していくことを明言している。南野も「ロシアW杯組にどう割って入っていくか、もちろん考えています。攻撃の起点になる部分で今日の出来にはまだまだ満足していない。まずはアジアカップまでのサバイバルに勝ち残っていきたいと思います」と意気込みを語っており、10月以降にポジション争いはさらに熱を帯びていくことになりそうだ。


(小田智史(Football ZONE web編集部) / Tomofumi Oda

ロシアW杯出場組(上段)と堂安ら新世代(下段)をどのように融合させるか【写真:Getty Images】