totsuka 愛知県美浜町に位置する戸塚ヨットスクール。激しい体罰で知られた同校では1980年代に訓練生の死亡事件が複数発生し、校長の戸塚宏氏は傷害致死の罪で懲役6年の判決を受け、服役した。しかし、事件後も同校に子供を預ける親は絶えないという。同校では現在体罰を禁止しているが、戸塚氏は今も体罰に確固たる信念を持っており、体罰は「子供を進歩させるのに最高の手段」と語る。

 戸塚ヨットスクールの今に迫ったドキュメンタリー映画『平成ジレンマ』が注目を集めている。2011年2月27日には、上映館でトークイベントを開催し、戸塚氏が登壇した。

「初等教育はトレーニングであって、コーチングではない。トレインというのは汽車だから、経路や時間など全部決まっている。その中には、個別もない、自由もない、人権もない、何にもない。ただ言われた通りにやって、あそこに行けというのがトレーニングです」

 トレーニングで基礎を作って初めて、個別のコーチングで能力を伸ばすことができるが、日本の学校教育はこの基礎作りに失敗しているという。

 戸塚氏は体罰を「子供を進歩させるのに最高の手段」と公言してはばからない。体罰によって生じる恐怖・驚愕・怒りといった不快感を避けるためには、能動的な行動を起こさなくてはならないからだ。戸塚氏はこの「行動」こそが進歩につながると主張する。しかし、権利や自由といった「今風」の教育を受けた子供たちは、行動を起こす前に逃げてしまうそうで、彼らに恐怖の乗り越え方を教えることが重要だという。

■日本のマスコミは馬鹿

 議論は訓練生の死にも及んだ。ニコニコ動画視聴者からの「死亡事件を起こした時点で、教育者としての自分の能力に疑問を持たなかったのか」という質問を読みあげられると、戸塚氏は「リスクは必ずあります」と回答。その上でマスコミスクールの実態をデフォルメしたとし、

「私にすべて責任を被せれば丸く収まると考えている。本当に日本のマスコミは馬鹿で、ああいう子供ができたということが問題なのだから、(制度を作った)文部省を責めんかい。どうしてそれを直そうとする人間を、しかも効果をあげていた人間ばかり責めるんだ」

 と語気を強めてマスコミを批判。すると番組には、「絶対やってはいけないリスクだろーが」「命がリスクか」「じゃあ自分は間違ってないって考えか」といったコメントが多数投稿された。氏はまた、「本人を見抜けなかった」ことが悔やんでも悔やみ切れないと言い、

「ああいう子供たちが何で死ぬんだというのが、現場の我々にとって凄い疑問ですよね。そんなことはやってないじゃないかと。マスコミは叩き殺したと言うが、全然そんなことはないです。特にああやって死ぬような子供は見るからに弱いんですよ。だから、こんなのは叩いてはいかんと他のコーチに言っていた。だけど、死ぬんですよね。ああいうとこでポンと一人置かれるともう生きていけないんですわ」

 と語った。これに対しても視聴者から「硬直した思考」「ひっでえええええええええええ」「じゃあ引き受けるなよ」「教育の最低限がはたせてねー」などと非難するコメントが寄せられた。

【関連サイト
戸塚ヨットスクール 戸塚ヨットスクール公式サイト

(野吟りん)

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