秋競馬がスタートし、馬券ファンを待ち受けるのはGIレース。その大舞台にズドンとつぎ込む資金を確保するために注目したいのが、見習い騎手だ。人気薄馬に乗る機会が多く、馬券に絡めば必然的に高配当。「乗れる見習い騎手」を狙い撃つことが、大穴的中への近道となるのだ。

 そのトップバッターに挙げたい騎手が、春から夏にかけて活躍が目立った川又賢治(20)である。デビュー2年目となるが、28勝でリーディング29位(9月2日時点。数字は以下同)。単勝回収率も135.34%と高いものとなっている。それも、年始に左足の骨折で2カ月間の戦列離脱がありながら挙げたものだ。

 特筆すべきは、デビューから中央で一度も3着以内のない馬を、全て「テン乗り」で7頭も勝利に導いたこと。すなわち──。

4月22日・福島・3歳未勝利・芝1800メートルで、ロックザボート1着(15頭中9番人気)。

5月12日・新潟・3歳未勝利・芝1800メートルで、バレーロッソ1着(16頭中5番人気)。

6月3日・阪神・3歳未勝利・ダ1400メートルで、ブリスフルデイズ1着(16頭中4番人気)。

7月21日・中京・3歳未勝利・芝2000メートルで、ヘブンリーデイズ1着(16頭中8番人気)。

7月28日・小倉・3歳未勝利・芝1800メートルで、ミーティアトレイル1着(16頭中13番人気)。

7月29日・小倉・3歳未勝利・ダ1700メートルで、ローズベリル1着(16頭中4番人気)。

8月4日・小倉・3歳未勝利・芝1200メートルで、プリズマティコ1着(17頭中11番人気)。

 コース、馬場、距離を問わずというのだからすごい。さるトレセン関係者も、

「こんな騎手は過去にいなかったんじゃないか。少なくとも記憶にはないな」

 ちなみにこれらは全て、社台系の一口馬主クラブの馬。専門紙トラックマンによれば、

「この勝利で社台から大きな信頼を勝ちえたのは言うまでもありません。このところ、騎乗数もドンドン増えてきているし、近いうちにまた大爆発することでしょう。実力が備わっているわけですから」

 騎手学校卒業時には、最も騎乗技術が優れた生徒に贈られる「アイルランド大使特別賞」を受賞している。デビュー9戦目で初勝利し、ルーキー一番乗りも成し遂げた。スポーツ紙競馬担当記者もこう評する。

「デビューした年は大きな落馬事故があって結局、9勝しかできませんでしたが、そうした不運にめげず、ひたむきに持てる才能を伸ばしてきた。彼が乗ると、ズブい馬でもグイグイ伸びてくるのです」

 二人目として取り上げたいのは、3年目の荻野極(20)だ。昨年は47勝で、スポーツ紙が主催する「中央競馬騎手年間ホープ賞」を受賞するなど、すでに「乗れる見習い騎手」として知られている。

 今年前半は不調のため、わずか10勝しかできなかったものの、夏に7勝して急上昇中。最近では9月2日小倉2歳Sで13番人気のアズマヘリテージを2着に持ってきて、3連単62万7690円の大穴馬券を演出した。

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