どうもあかりです。「好き」という気持ちが目に見えないせいで、恋人はたくさんのことを言葉を使って確認しようとします。だけど皮肉なことに、「好き?」「好きだよ」を繰り返すたびに二人を繋げる愛情は安っぽく、そして疑わしいものになっていきます。


■「借金取り」みたいな彼女

いきなりですが、ちょっとこんな想像をしてみてください。あなたは生活に必要ということで、金融機関から50万円ほど借りました。借金です。経験はないかもしれませんが、想像は難しくないはず。
で、お金を借りた1週間後、その金融機関から電話がかかってきます。「あれ、返済は来月なのにどうしたんだろ?」と思って出てみると、金融機関の担当者は「返済は来月ですが、ちゃんと返してくれますか?」と聞いてくるではありませんか。
どんな気持ちでしょうか。多分、こんな気持ちだと思います。
「失礼だな」
この一言に尽きると思います。返済しないなんてもちろん言っていないし、それに、「本当に返済してくれるのかな?」って相手を不安がらせるようなことをしていないのにも関わらず、「返済してくれますか? ちゃんと」と聞かれることは、とても屈辱感のある体験なんです。
「お金を貸したときにも思っていましたが、あなたって、あんまり信用できない人に見えたもんですから……」と言われているのも同然なんですから。
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話を戻すと、「ねえ、私のこと好き?」と聞いてくる彼女って、あるいは彼氏って、この金融機関の担当者とやっていることが同じです。
「好き?」という言葉の裏には、「あなたは付き合った相手を愛さない人のように思えるので、不安です」というメッセージが隠されていて、しかもこのメッセージは確実に相手に伝わっている。


■「もういいや」の気持ち

まあ、ただ「失礼だな」って思われるだけならまだいいのかもしれません。自分の人間性をちょっと疑われるだけで、相手を少し傷つけるだけですから(これもこれで問題ですが、これからお話することのほうがはるかに問題です)。
またお金を借りた想像に戻ってください。
来月無事にあなたは約束通り50万円を返済できました。「ざまぁ!」ですよね。ですがさらにその翌月、またお金が必要になりました。
どうでしょう。
また同じ金融機関からお金を借りますか? それとも、他のところから借りますか?私なら、多分他のところにすると思います。だって、「どうせまた『ちゃんと返してくれますか?』って聞いてくるのがウザいから」。
「じゃあもういいよ。そっちが自分を信じてくれないんだったら、こっちもそっちを頼りになんてしないよ」
人は、相手から不信感を向けられると、お返しにその相手に対しても不信感を抱くようにできています。「ちゃんと返してくれるか?」と根拠もなくお客様に不信感を向けてしまった金融機関の担当者は、お客様からお返しに「信用できない担当者」の評価を受けてしまう。こういう効果を生んでしまうのが、最大の怖さです。


言葉遊びのようなものなら、いいけれど

もちろん「好き?」というのを、恋人間のたわむれ程度に、面白半分で聞く分には全く問題ないと思います。二人の間で「ねえ、私のこと好き?」「好きに決まってるだろこのやろ~(もみくちゃ)」みたいな“絡み”が出来上がっているんだったら、このやりとりになんの問題もないはず。
だけど、相手が何の不審な態度、不誠実な面を見せていないのに、ただ単に「私って付き合うといつも彼氏から愛されてるか不安になっちゃうタイプ」という自分本位な理由で「好き?」と聞くたびに、彼はあなたを「何の理由もないのに『好き』じゃなくなることがあるかもしれないヒト」と認識してしまうかもしれないのです。
「好き?」に限らず、「浮気してない?」みたいなのも同じですね。なんの心当たりも全くないのに、深刻そうに「浮気してない?」と聞かれたら、おそらく「俺じゃなくて、そっちこそなんか怪しいことがあるんじゃないの?」という気分になるんじゃないでしょうか彼は。「好き?」と聞けば聞くほど二人の愛情がチープになっていく理由は、こんな感じです。
だから今度からは、「好き?」と疑問形で聞きたくなったときにはぜひ、「好き」と断定形で伝えてあげてください。これなら、「好き?」と180度正反対の効果がありますから。(遣水あかり/ライタ-)
(ハウコレ編集部)

「好き?」と聞けば聞くほど二人の愛情がチープになっていく理由