職員に過重労働を強いることで悪評が絶えないAmazonだが、昨年11月に上司に休みを取ることを却下された職員が逆上し倉庫に放火、莫大な損害を生じさせた。このほどその職員に4年の実刑判決が下されたニュースがイギリスから伝えられた。

英メディア『Mirror』などが報じたところによると昨年11月4日、スタッフォードシャー州ルージリーにあるAmazon倉庫で勤務していたアドリス・アリ(22歳)は、チームリーダーに休日を申請したものの却下されたため、逆上して紙の束にライターで火をつけて放った。

約65,000平方メートルの倉庫の一角で上がった炎は、勢いをあげて床から天井まであっという間に広がった。他の職員らが消火活動を試みたが、激しい炎になす術もなく5分以内には1200人以上の職員が避難を強いられ、倉庫内にあった60万個以上の商品が台無しになった。その被害総額は730万ポンド(約10億7,000万円)で、被害後の施設の修理や掃除、それに関わる労働費用などに74万5,000ポンド(約1億900万円)の支出を余儀なくされたという。

倉庫内に設置されていた監視カメラと勤務名簿の記録から、火事が発生した通路にいたアドリスが浮上、スタッフォードシャー州警察はアドリスを放火の容疑で逮捕した。

今年の9月11日、スタッフォード刑事法院で行われた裁判で、アドリスの弁護人は「被告の行動は普段の性格とはかけ離れた突発的なものであった。ここまでの被害を生じさせる意図はなかったとしている。捜査の早い段階でも被告は罪を認めている」と擁護したが、マイケル・チャンバース判事は「施設と在庫商品に莫大な損害を引き起こし、倉庫で働く他の職員らの命を危険に晒した」とアドリスを糾弾し、4年の実刑判決を下した。

スタッフォードシャー州警察は「あれだけの火事となれば怪我人が出てもおかしくはなかったが、幸いにも皆が無傷であった。何百万ポンドという多額の損害にはなったが、もっと大きな被害が出なかったことは幸いといえよう。4年の実刑判決は妥当といえる。被告には刑務所でしっかり反省してもらいたい」と述べている。

画像は『Mirror 2018年9月11日付「Amazon worker, 22, who caused £8m fire after torching warehouse because bossdisrespected’ him is jailed」(Image: PA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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